2018年03月11日(日) スマホアプリ「伊勢ぶらり」を手にして目指した小太郎池跡 (徒歩)
昨日は山田奉行所記念館にて、かつて山田の町を流れていた甫蔵主池(川)および小柳川の場所を確認できた。
【参考】
- 平成29年度特別展「山田のまちと水害」(山田奉行所記念館) 2018年03月10日
「鉄は熱いうちに打て」ではないが、その記憶を自分自身に埋め込むためにもと本日は小柳川の名残を探しながらその源流であった小太郎池(跡)を訪れることにした。
小太郎池について調べていたら、以前にこんな記事を書いていたことに気づきとても驚いた。全く記憶になかったから。おそらくその時は清川に惹きつけられていたのだろうか?
・度会橋までの気ままな神社めぐり 2013年05月18日
小太郎池から小柳川だけでなく、清川へも水を流していたことはさらに調査が必要だが、今日のところはスマホの無料アプリ「伊勢ぶらり」に掲載されている【山田衢々之図】(江戸時代末期)を手にしながら歩くことにした。実は、以前からこのルートを歩きたいと思いながら実現できずにいたものなので、山田奉行所記念館の企画展示に感謝である。
【参考】
- なんと、暗渠っぽい雰囲気を辿った先は桧尻川 2016年10月10日
本日のスタート地点はこちら。伊勢赤十字病院付近で下流方向が桧尻川で上流方向左側が(旧)小柳川、右側が昨日の記事に書いた甫蔵主池からも流れている(旧)甫蔵主川となる。
【参考】
- 名前がわかった甫蔵主池および小柳川(伊勢市一之木) 2018年03月10日
ここで(旧)と記したのはこの名が現在も使用されているかが不明(おそらくこれらの流れは○○排水路のように扱われていると思われる)であるから。
しかし、本記事では小太郎池跡へ辿ることを意識し、これ以降は(旧)を省いて小柳川と記す。
小柳川と甫蔵主川が合流し桧尻川の流れとなるこの場所、
甫蔵主川に架かる厚生第二橋を渡ると
その先は小柳川に架かる厚生第一橋である。
厚生第一橋から本日遡る小柳川の上流方向をパチリ。
本日は「伊勢ぶらり」の【山田衢々之図】と
さらには、以前に作成した大人の塗り絵「度会河内明細圖」も手にして歩き始めた。
【参考】
- 大人の塗り絵「度会河内明細圖」、完成 2017年11月09日〜10日
賑やかに泳ぐコイの集団を横目に見ながら
小柳川左岸の小径を上流方向進んだ。
国道23号長屋交差点から続く道路を横断すると
ひたすら上流方向へ・・・
途中で草道となったと思ったら、ここは誰かの敷地だった。「失礼します・・・」と言いながらこの場所を抜けるとミタスの前から続く道路を横断した。
この先は河川の「管理用道路なので通らないで下さい」と記されていたが、小柳川を遡るには避けて通れない。今回ばかりは「自己責任」にて注意しながら進んだ。
そして、見覚えのある場所に到着。
【参考】
- 松外垣橋の下を流れる水路の先は・・・ 2018年03月03日
この先は川辺を歩いても抜けられないので、ここからは住宅街を通って迂回することにした。右方向へ進むと大世古保育園の角を左へ折れると
この場所へやってきた。ここは先程の橋から上流方向に約50mの場所。ガードレールの先は小柳川だが、
ここからはこのように暗渠となっている。ここから「伊勢ぶらり」の活躍となる。
ただし、【山田衢々之図】に記された川の流れと現実の暗渠のルートは完全に一致するものではなかった。結果から言えば小太郎池跡に近づけばかなり精度よく【山田衢々之図】に乗って歩けたが、JR参宮線 山田上口駅付近ではかなりの乖離をみた。今日のところは現場(暗渠が続くと思われる)のルートを優先して進んだ。(こんなところで次回のコトを述べるのは早計だが、次回は【山田衢々之図】に記された小柳川の流れを忠実に辿ってみよう。ただし、それが可能なのは(1)「伊勢ぶらり」に掲載された【山田衢々之図】が精度よく現状にマッピングされていること)、(2)スマホのGPS精度が適度であること、この二点が満たされていることが前提となる。
ここからはひたすら流れを追ってみよう。
暗渠となった小柳川(?)はしばらく真っ直ぐ続く。それは中央のみ色が異なる路面を見れば明らかである。
路面に導かれるようにこちらの交差点を横断した。ここからは私にとって未知の領域だった。
横断すると来た道を振り返った。「もう後戻りはできない。とにかく前を向こう!」(大げさな)
程なくこの場所にたどり着く。目の前には近鉄山田線が走り行く手を遮っている。
しかし、暗渠は線路と交差しながら直進しているようだ。私は仕方なく右方向へ進み
近鉄山田線 宮町駅の前を通り過ぎると
その先にある 踏切道小俣第15号を渡り
折り返した。
先ほどとは線路の反対側に建つ駅舎(宮町駅)へ向かうと、その右手に暗渠が続いていた。その存在を感じると
線路を背にしてさらに探索を続けた。
先ほど歩いてきた道路を横断するとその先の狭い路地へ入った。
この先は未体験ゾーンだった。
道なりにしばらく進むと左方向、線路越しに見慣れた社叢が望めた。あれは清野井庭神社のものだ。
こんなに左右に湾曲した道が続き、ところどころに
マンホール蓋が見られる。
ほどなくたどり着いたのはJR参宮線 山田上口駅 北側。
こちらから山田上口駅を眺めるのは初めて。新鮮だ。
続いては伊勢南北幹線道路がJR参宮線と交差する高架橋の下まで移動すると
この場所で現在地を確認。
地図上の小柳川からかなり離れた場所にいた。
近くに踏切があったので近づくと
こちらは高向踏切。踏切を渡ると
小祠が建っていたが、違和感があった。この時はその理由が分からなかったのだが・・・
(帰宅後に調べた所、以前この小祠は道路の中央に建っていたものだった。)
【参考】 気の早い花見ウォーキング(伊勢市) 2013年03月23日
高向踏切から伊勢南北幹線道路の高架下まで移動すると参宮街道に沿って左方向へ進んだ。
茶屋町(常磐町)の道標を左に見ながらさらに先へ進むと
かつての川の流れと符合する場所に到着した。こちらが下流側で
こちらからこれから進む上流側。
道なりに進むと
ここで、伊勢南北幹線道路に出たので車に注意しながら横断すると
出雲町公民館前に。かつて小柳川はこの前を流れていたようだ。鳥居が気になったので
以前にも訪れたことがある出雲御祖社にお参り。
すると社殿は新しく、立札には約一年前(平成29年3月26日)に御造営されたことが記されていた。
出雲町公民館を後にすると
十字路を直進した。
この先は県道37号なので、左手にある中島交差点で横断歩道を渡った。
離れた交差点を渡ったので、小柳川から外れてしまった。
地図上でその流れを追うと
中部電力 度会橋変電所に近づいた。
このガードレールは斜めに配置されていて、暗渠が角度を持って配置されていることを伺わせる。
それにしてもこの建物は変電所とは・・・? 上空に電線は皆無だ。
入口にはしっかりとこの看板があるから間違いないだろうか。地下ケーブルなのだろうか?(また、疑問だ)
度会橋変電所の先へ進むとついに暗渠が途切れ、流れが姿を現してくれた。
流れに沿ってまっすぐ進むと
橋脚が石造りの古そうな橋にたどり着いた。
地図には「金剛橋」と記されているようだが、
親柱を探すと
こんな所に橋の名を見つけた。ここには記された名は「小河橋」だった。「金剛橋」ではなかった・・・
もう少しで小太郎池の出口だ。
この辺り、
小川公園が望める場所。
ここがまさに小太郎池からの流れの始まりの場所だった。
地図でもこのように。ついに「小太郎池に到着!」、積年の思いを果たすことができた。
この後は小太郎池があったと思われる場所の周囲をぐる〜りと巡り、今回の散策を後にした。
以上で小川公園へ戻ると帰途に着いた。
その途中で、先程は北側から望んだ山田上口駅を南側からパチリ。