写真好学研究所 11月定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

2019年11月03日(祝・日) 写真好学研究所 11月定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore (車、徒歩)

 

古民家Hibicore付近(津市美里町三郷)

古民家Hibicore付近(津市美里町三郷)

 

写真好学研究所の定例研究会に参加するために古民家Hibicoreを訪れた。

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

いつも通り14時からの開始であったが、20分ほど前にはすでに多くのメンバーが集まっていた。

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

本日の予定は次の通り
1.ZINEの紹介
2.写真の評価会
3.荻野さんの提案(ZINEの展覧会開催について)
4.連絡事項ほか

 

1.ZINEの紹介


各人がテーブルの上に並べられたZINEを鑑賞していると、所長の挨拶で研究会は開始された。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

櫻井義弘さんのZINEに見入る田村さん。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

テーブルに並べられた多数のZINE。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

田村さんが絵画二人展をまとめた図録としてのZINE。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

【櫻井(義弘)】
櫻井さんが持参したのは「まつり人」、「ラララよさこい」、「コスプレドンドン」の3冊だった。それらを手にした他の研究生は大いに驚いた。それはすべての被写体が人だったから。櫻井さんは今まで風景の写真しか見せてこなかったので、人を被写体とする写真を撮るなんて誰もが考えていなかったからだろう。
櫻井さんは7〜8年前からこのような撮り溜めていたとのこと。しかし、写真をどう選べばいいのかわからなかったため、意見を聞くためにこれらのZINEを制作したのだった。また、祭りは盛り上がりのピークよりもその裏側を撮っている。肖像権の問題もあるのでなるべく声を掛けるようにしている。祭りの場だと声を掛ければ快く撮らしてくれる人も多い。と

所長からのフィードバック(以下、F/B)

小さいカメラで撮っている感が良い。
撮れる撮れないは御縁。下手な鉄砲も数撃ちゃ・・・。
自分の方法を見つけ、断られても動じないメンタルを鍛える。
風景も人も撮ってほしい。

 

【田戸】
今まで紹介してきた神倉神社の御燈祭の写真をZINEにまとめたもので、タイトルは「いざ、出陣! 新宮・御燈祭」。L判のプリントを何度も並べ替えながらレイアウトや順番を決めた。来年の目標はここには無い群衆の写真を撮ること。

所長からのF/B

白フチは無い方がいいので、一枚を見開きで配置する。横はすべて見開きにするのもありか?
または左右の白フチを無くして上下の不要な部分を裁断し、非定型のサイズにする方法もある。
レイアウトを見直しながら毎月一冊作る。

 

【桝屋】
前回に続く神社シリーズとして、タイトル「神様のお引越し@御薗神社」を紹介。
まだまだ、ZINEにまとめるネタがある。

所長からのF/B

お金がかかって仕方ない。

 

【荻野】
今回は百均で売られている小型のアルバムに写真を貼り付けた。
小さな寂れた宿が好きなので目的地を決めた状態で家族に提案して出かける。これらの写真は岡山県 津山への旅行で、到着日の夕方に1時間と翌朝の1時間で撮影したものである。

所長からのF/B

シマウマだけでなく、新しい方法も何でも良い。
そんな旅を続けていると子供が反乱を起こす?(笑)

 

【その他】
所長から: 岡副さんのZINEが紹介された。各所に提出するために作り込んでいて、すでの何冊を作成したかわからなくなるほど。特徴的なのは息子さんとの共同作業となっており、レイアウトは息子さんが決めているとのこと。また、今年、彼女は自分の写真を嫌になるほど見ている。

荻野さんから: 武田さんのZINEはタイトルの「植物」「plant」が中央に配置され、自分の名前が無いのがカッコいい。との意見。それを受けて、所長からは「植物図鑑」のようだと。

所長から: ZINEの制作方法について、レイアウト機能が優れているのでシマウマプリントを紹介している(最初は、シマウマのレイアウト機能がこんなに優れているとは想像もしていなかった)。しかし、どんな作り方でも良い。シマウマでレイアウトを検討し、本番は別の方法もありかも。
AdobeのInDesignが使えるなら自由度も上がるのでレイアウトはもちろんテキストを作り込むことも可能だ。
また、荻野さんのように新たなアプローチも面白い。

その他、ZINEと写真集の違いについて質問があったが、現状では明確な境界は定義されていないので区別は難しい。

また、書籍の付けられているISBNコードは全国流通させるために必要であるが、デザイン的に付けない人もいる・・・

さらに、タイトルの付け方の質問に対し、とにかく100でも200でも案を出し、共通点でカテゴライズした後、さらにまとめて作品の本質に迫る。絞って絞って捻り出す。作品に相応しいタイトルを見つけるにはこの過程は避けられない。とのF/Bがあった。

 

所長から: 通常はタイトルありきで撮ることは少ないが、年始にタイトルを決めて向こう一年間はそのタイトルの縛りの中で撮る方法もありではないか。結果が出るまで一年かかるが面白い。うまく行かないかも知れないが・・・。

以上がZINEについて


 

休憩を挟んで

 

2.写真の評価会


【櫻井(幸一)】

三重の風景として自分が飾れるモノを撮ると決め、大門あたりで撮っている。

カッコいい「松井宏樹 写真展 DOTO」を観てのビフォーアフターがこちら。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

大門っぽくない写真でも大門と思われるように。暗い所を撮った。
いままでは力んでいたが、前の回からは気楽になった。
コンパクトデジカメでスクエアで撮っている。スクエアは昔のカメラのイメージ。
また、かつてはRAWを現像していたが、今は手間が掛からないJPEGで出している。

所長からのF/B

松井さんは「町の感触にふれた時に撮る」と言っていた。
松井的なコピペシリーズを取り尽くすと櫻井シリーズが生まれる。
そのためには飽きるまでまずは撮る。場所が不安定な写真、引くだけでなく寄っても撮れる。
また松井さんにかぶれるのなら色(モノクロ)にもこだわるべき。用紙とプリンタの関係をテストし、最適な設定を記録し再現できるようにする。
光が入っている、入っていない。天候など自分が好きなトーンを見つけてまず10枚。これで本ができる。

 

【櫻井(義弘)】
手っ取り早く行けるのが海なので、前から引きずっている作品。
今回は荒々しい表情の海の写真が加わった。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

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所長からのF/B

荒々しい波の瞬間を撮る人は多いので、瞬間(シャープ)ではなく時間の流れを記録する。まずは30秒で試す?  波を塊、壁として捉えられるかも。台風の時の波は面白い。

 

【木村】
木村さんは今回が始めての参加だった。過去3年間で4〜5回訪れた大門の写真を並べた。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

所長からのF/B

説明的ではなく素直に表現するためには人は不要である。人が入ると町の気配を喰い始め町のディテールを崩す。私情を誘うもの、技術的なものは入れない方がいい。
カラーであるから置いてきぼり感が出る。他の写真も撮ると町の記憶となる。

天候(晴れ・曇り・雨)により町のディテールが異なるので、晴れの時のみ撮る、または曇りの時に撮るなど自分に相応しい条件を探す。

(上の写真の左列にある)推奨の3枚は平面的過ぎてジレンマになるかもしれないが飽き始めた時から始まる。このシリーズで「真正面の男」として進むのかは、最終的には作者(自分自身)が決めることである。自分自信を分析し自分のことを考える。自分探しの旅だ。

(上の写真とは別に)この2枚が目を惹く。画面は広くない。ズームレンズの35mmでガムテープ固定。
写真の本を読むと良い。

 

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

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【田村】
スクエアは飽きた。モノクロは続ける。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

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所長からのF/B

この方向で、無意味なもので行く。
船は趣味で・・・

 

【宗吉】
前回からの2ヶ月間、鈴鹿市内をいつも見ている風景を撮影していた。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

所長からのF/B

この感じで一年ぐらい撮れる?(宗吉さんから「はい」と)
宗吉的な特徴はプリントでのせていることだが、今後はどうするか? ナチュラルにする?
モノクロはできるよ主張になってしまうので、今はいらない。
町のディテールを撮る時、空を入れない方法もある。得意の空で語らせないようにするため。

 

【荻野】
20枚をプリント。千賀さんに見てもらって2グループに分けてある。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

 

人の痕跡があるものが好きで、ただの風景は撮らない。
三脚はやめた。写したいものを中央に。横だけでなく縦でも。雑なものが写ってほしい。
F8、ISO200で撮っている。

テーマである「土のにおい」の根源は子どもの頃に畑で遊んでいた記憶にある。今は畑がなくなるしソーラーパネルが乱立している。靴につく泥やいちじくが懐かしい。

 

所長からのF/B

「土のにおい」としたテーマ、コンセプトは明確だが写真が伝えてくれているか?
微妙なところで少し外れている?

光にしても順光、逆光、曇り・・・などのさまざま環境で試し、見せたいものがよく表現される条件を探す。写真の比率も3:2だけでなく、スクエアやワイドなどサイズの検討も。
また、プリントでいじれば光は色が決まる・・・
「いかに写真で伝わるのか」の判断とは、このような場で他者の目を借りる。

 


【余談】

今回、紹介された 中平卓馬 さんの「氾濫」は側面にまで文字が氾濫している装丁が印象的だった。コンセプトを魅せることができるのは写真だけではない。

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.11.3)@古民家Hibicore


 

3.荻野さんの提案(ZINEの展覧会開催について)


荻野さんより「販売も兼ねたZINEの展示会」をgallery0369で実施したいとの提案があった。
ZINEに加えて、写真も展示した方がよいとの意見あり。
2020年3月の実施を目指し、次回(1月)の定例研究会で詳細を詰めることになった。


 

4.連絡事項ほか


松原豊 所長は、台湾において11月30日〜12月29日に開催する松原豐攝影展を紹介した。

 

また、宗吉洋介さんは、ご自身が出展する 2019 ワークショップ写房 作品展を紹介した。


 

以上で11月の定例研究会は閉会となった。
今回の参加者は所長を含めて10名(座席順に、櫻井(幸一)、櫻井(義弘)、田村、宗吉、木村、田戸、武田、松原所長、荻野、桝屋 :敬称略)。

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

 

次回は、2020年01月05日(日) 14:00〜

 

【前回の記録】

 

【過去の参加記録 こちらの記事の中にリンクあり

 

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