特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」、関連講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜」@鈴鹿市考古博物館

2019年10月19日(土)  特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」、関連講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜」@鈴鹿市考古博物館 (車、徒歩)

先日、鳥羽市立 海の博物館を訪れた際、鈴鹿市考古博物館で開催され(てい)る特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」のパンフレットを手に入れた。

「塩を作り、運ぶ~伊勢湾をめぐって~」のパンフレット

「塩を作り、運ぶ~伊勢湾をめぐって~」のパンフレット

 

塩については伊勢神宮の御塩づくりで特に興味を持っている。

【参考】 次のリンクには御塩づくりに関するリンクあり

 

このパンフレットを読み返したところ、本日の午後に講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜」が開催されることに気づき、急いで車を走らせた。休日の渋滞は予想以上にひどく、鈴鹿市考古博物館に到着したのは講演開始後、20分が経過していた。

ここでは、特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」および遅れて参加した講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜」の概要をきろくしておこう。

 

鈴鹿市考古博物館を訪れると

鈴鹿市考古博物館(鈴鹿市国分町)

鈴鹿市考古博物館(鈴鹿市国分町)

 

その入口には次の催事看板が立てられていた。

特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」@鈴鹿市考古博物館

特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」@鈴鹿市考古博物館

 

【 特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」 】

特別展の会場はエントランスへ入ると右側のスペースである。特別展の入口には次の掲示があった。

特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」@鈴鹿市考古博物館

特別展「塩を作り、運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜」@鈴鹿市考古博物館

 

観覧は有料である。
今回の特別展示は写真撮影可能である。(ただし、個人の使用に限る)

ことが示されていた。(そのため、気になる土器等については写真撮影したが、制約によりブログでは紹介できない。)

文字通り「塩」に特化した展示では次のテーマが順に展開され、「塩」づくしの内容だった。

・古代の塩作り
・塩作りの始まりー縄文時代
・伊勢湾の塩作り
・知多の製塩土器
・渥美の製塩土器
・島嶼の製塩土器
・志摩の製塩土器
・各地の塩つくり
・・大阪湾の製塩土器
・・能登半島の製塩土器
・・若狭湾の製塩土器
・塩を運ぶ〜伊勢湾をめぐって〜
・塩を運ぶ〜都へ〜

今までの調査内容が簡潔にまとめられているので、概観するにはわかりやすい。

これらの展示を観て、図録(¥400円)で再確認するとさまざまな疑問や興味が湧いてくる。

  • 現代は過剰なほどに塩を摂取してしまうような状況にある贅沢さを大いに感じる。
  • 人類は製塩が始まる前にはいかに塩を摂取していたのだろうか?
  • 他の地域で製造された製塩土器の存在は塩が運ばれてきた証になるのは事実なのか?
  • 伊勢国、とくに神宮に関わる塩の道は? などなど

 

また、先にも紹介したように今回の特別展では個人使用のためには写真撮影が可能であった。しかし最近はSNSによる口コミでの集客のため写真撮影を可能とする美術館や博物館が多いことを考えると、個人使用に限定するのは中途半端な対応かと思ってしまった?

 

 

【 関連講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜」 講師:三重県埋蔵文化財センター 新名 強 氏 】

続いては遅れて参加した関連講演会について。

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]@鈴鹿市考古博物館

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]@鈴鹿市考古博物館

 

第一回めの関連講演ではある本講では次の内容で進められた。

1.塩とその役割
2.塩づくりの方法と歴史
(1)塩作りの工程(採鹹[さいかん]、煎傲[せんごう]、焼塩・煎塩の3工程)
(2)塩作りの歴史(時代ごとの採鹹、製塩方法の相違)
3.伊勢・志摩の塩づくり
(1)古墳時代
(2)古代・・・志摩式製塩土器
(3)文献に見える塩生産
(4)斎宮跡と塩
(5)志摩式製塩土器と斎宮関連遺跡
4.おわりに

 

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]@鈴鹿市考古博物館

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]@鈴鹿市考古博物館

 

特に興味深かったのは、文献史料に基づいてさまざまな塩にまつわるエピソードが紹介されたことである。

たとえば、

一志神戸嶋抜御厨では行き倒れの死体がみつかったが、その処理について国衙と郡衙が押しつけ合い数ヶ月に渡り死体が放置された。そのために塩づくりが止まってしまった責任を国司および郡司が問われたが国司は病気と偽りその罰を逃れてしまった・・・

など。

 

【講演会のメモ】

詳細にまとめる余裕がなかったので、講演中にメモったノートの写メを残しておこう。(私しか理解できないだろうが・・・)

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

 

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

 

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

 

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

 

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

 

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

 

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

講演会「伊勢湾の塩作り〜伊勢・志摩編〜]のメモ

 

なお、関連講演会やギャラリートークは次の通り計画されている。

関連講演会
第2回 伊勢湾の塩作り~尾張・三河編~
日時:令和元年11月 2日(土)14時~      会場:鈴鹿市考古博物館 講堂
講師:早野 浩二さん(愛知県埋蔵文化財センター)

第3回 平城京に運ばれた塩はどこから来たのか?
日時:令和元年11月17日(日)14時~      会場:鈴鹿市考古博物館 講堂
講師:神野 恵さん(奈良文化財研究所)
※講演会は当日受付・聴講無料 ※講演会に参加の方は、観覧料が無料

ギャラリートーク
日時:令和元年10月26日(土)13時30分~
会場:考古博物館 特別展示室
講師:森 泰通さん(豊田市教育委員会)・当館学芸員
※観覧料が必要

【参考】  鈴鹿市考古博物館(鈴鹿市国分町)

 

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