2019年07月06日(土) 写真家 山本まりこさんと行く! フォトツアー〜まちの熊野古道を歩こう!〜 (車、徒歩)
午後からは尾鷲市で開催されるフォトツアー「写真家 山本まりこさんと行く! フォトツアー〜まちの熊野古道を歩こう!〜」に参加するため、午前中は各所に寄り道しながら熊野古道センターへ向かった。
写真家 山本まりこ さんは、風通しがいいという意味を持つ airy(エアリー) をコンセプトに空間を意識した写真を撮り続けている写真家である。(そうだ)
【参考】
実は 山本まりこ さんのことを存じ上げなかったが、twiter等を拝見すると私とは全く異なる写風のお方、さらに熊野古道の撮影にも惹かれて本ツアーへの参加を申し込んでいた。
今回のツアーで巡ったルートはかつて歩いたことはあるが当時は足早に歩いていたので、今回は当時を振り返りながらもゆったりと楽しめた。
【参考】
集合場所である熊野古道センターからは、ツアーの出発点である尾鷲神社までスタッフが運転する車で送っていただいた。ほどなく尾鷲神社に到着したら真っ先に私の目に飛び込んできたのは茅の輪だった。
参加者が全員集まると主催者からの挨拶・説明の後、「写真家 山本まりこさんと行く! フォトツアー〜まちの熊野古道を歩こう!〜」が開始された。
ツアーが開始されるや否や雨足が強くなり始めた。しばらくは尾鷲神社での撮影を楽しむことになり、まずは雨を撮ることをテーマに参加者は奮闘。周囲が明るいので私は雨粒を撮ることは諦めて、その副産物に注目していた。
皆さんが雨の撮影に集中している間に
私は茅の輪を三度くぐると尾鷲神社にお参りした。
雨の撮影が終了すると山本まりこさんが自ら撮影した写真をタブレットで紹介しながら、撮影ポイント等を紹介。
プチレッスンを終えると10分間の尾鷲神社撮影となった。私も気になる被写体をパチリ・・・
10分間が長いか、短いかは人それぞれだろう。
尾鷲神社を後にすると熊野古道へ移動した。
北川橋から「熊野古道 馬越峠 →」の案内板を背にすると
尾鷲のまちへと続く熊野古道を進んだ。
懐かしい松の湯。
ところどころに朽ちた家屋を見かける。
この雨戸には5人の「誰?」を見つけてしまった。
やはり、木目や節は趣があり美しいし、緑ともマッチする。
こんな趣のある外観には反し、その内部はこんな状態になっていた。
その一方で、石垣や外構が立派なお宅も多い。
こちら海虹路(田原屋)さんでは
これまではゴミとして捨てられるだけだった尾鷲ひのきのかんなくず「ひのきシート」を使い、編む・織る・削る・折り紙・染める・・・といった様々な方法で手芸品を作り出している。新商品を開発したり、インストラクターを養成したりと積極的に活動されているそうだ。
【参考】
私が気になったものをパチリ・・・
海虹路(田原屋)さんを後にすると散策しながら
無料休憩所 馬越屋に立ち寄り。
私は古道から左右に伸びる路地が気になって気になって。フラフラとその先へ吸い込まれそうだ。
また、馬越屋の隣に建つこちらの建物も年季が入っている。
どんなところだろうと気になるとショーケースには「ぶらっつナカセン〜こちら、貸館やっています〜」と記したパネルが立てかけられていた。
ショーケースの下は石造り、さらに
この道標がなんとも言えない。
中に入ってみたいと思っていたところ、こちらはツアーの休憩ポイントに組み込まれていた。
近くにある協同組合 尾鷲観光物産協会が管理していて会員でなくても借りることができるそうだ。
【参考】
担当の方が照明をつけてくれたので写真を撮ったところ、尾鷲神社でうまく撮れなかった雨も撮ることができた。
かつては薬局だった建物の中で説明をいただいた後、休憩と撮影会。
しかしながら、私は本ツアーの参加前に熊野古道を歩き足元がずぶ濡れになっていたため、土間から上がることができなかった。(残念)
【参考】
- フォトツアーへの参加前、熊野古道八鬼山道を籠立場までの散策 2019年07月06日
そのため、靴を履いたままでも撮れる範囲にて。(制限が与えられるのも面白い)
目立たない場所に細工のあるショーケースに
劇薬箱。
束石ならぬ、柱の礎石。
この建物になくてはならない柱時計に
なぜにここにあるかのか理由は不明なガラス玉。水色にひとつに惹かれたのパチリ。
さらには一枚だけが目立った細工ガラス。
こちらは後付だろうが、この組み合わが面白い。
最後には、座敷へ上がれない私の悪あがき。
休憩、館内撮影を終えると再び熊野古道へ。猫ちゃんとともに・・・。
道路も苔むすのか。
山本まりこさんが指差しているのは
熊野古道伊勢路に統一サインを設置して旅人が安全安心に歩ける道にすることを目指す団体「セーフティネット伊勢路」が設置している赤白の統一目印パネルである。FBFからの情報によると、7月6日(ツアー当日)は尾鷲の方々の協力を得て尾鷲市内各所にこのパネルを設置しました。とのことだった。
このパネルも今朝に設置されたものだったのだろうか?
さらにこちらで気になったのは電柱に取り付けられているNTTの識別標。
そこには「土井幹 3」と記されている。この場所の地名は「尾鷲市朝日町」だけど「土井」の文字が。この付近はに尾鷲有数の山林経営家である見世土井家の広い敷地が所在しているからだろう(か)。地名や官庁の建物名ではなく、個人名が使用されているケースは目にしたことがなかった(?)。どれくらいあるのだろうか。今後もこの識別標を見上げてしまいそうだ。
続いては、屋号が気になった「くらがりや」。
その先で道路が狭くなる。変化点ではワクワクする。
古道から左右に伸びる道もカクカクと。
こちらの電柱には朝日町の地名板が吊られていた。この光景はどこかで見た記憶。(あれは伊勢市の河崎だったか?)
そして、こちらが国登録 有形文化財(建造物)である見世土井家住宅。
【参考】
この前に立つ電柱に取り付けられたNTTの識別標も「土井幹」で番号は「7」。
雨足は弱まっていたが、ツアー参加者は雨のことなど意に介さずに撮影に没頭している様子だった。
そして、在蔵(ざいくら)または郷蔵(ごうくら)を過ぎ、
庚申祠(山見茶屋跡)を過ぎると開けた道をてくてくと。
錆を気にしながら・・・
この錆び錆び大行列は。雨が多く、海に近いからだろうか。
熊野古道 やのはま道の案内板および袖片橋を過ぎるとさらに細い道へ(左へ)折れる。
しばらく直進すると
この辺りでさらに細い路地へ入る。(右折)
やのはま道は、対向できないような場所もあり、当時の様子をうかがい知ることのできる貴重な場所だ。
以上でやのはま道を通る抜けると本日のフォトツアーは終了となり、熊野古道センターへ車で移動した。
熊野古道センターでは
講評会と称し、ツアー参加者がそれぞれお気に入りの一枚を発表し、山本まりこ さんに講評していただいた。かつおの燻製である「かつおくん」を頬張り、尾鷲甘夏塩サイダーを飲みながらの和やかな雰囲気で進められた。
『さて、私のお気に入りの一枚はどれだったでしょうか?』
さまざまな街道を歩いているが、こんなに街道をゆっくりと歩いたことがあるだろうか?
とても楽しい半日だった。
山本まりこ さん、スタッフの皆さんありがとうございました。また、参加者の皆さん、お疲れ様でした。
また、機会があれば!
面白かった。