「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会と「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館(鳥羽市浦村町大吉)

2018年12月01日(土) 「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会と「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館(鳥羽市浦村町大吉) (車、徒歩)

海の博物館では、鳥羽市が運営する地球塾の企画で写真家 阪本博文さんの講演会が開催された。

第17期人材育成講座 地球塾 第4回公開講座の案内

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【参考】

 

阪本さんは伊勢神宮の祭典や県内各地、祭の現場で、さらにはケーブルテレビITVの番組「ランドスケープ」でもお見かけする。ぜひとも拝聴したいと海の博物館を訪れた。

海の博物館(鳥羽市浦村町大吉)

海の博物館(鳥羽市浦村町大吉)

 

会場は展示A棟にある映像ホール。

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

 

定刻の10時になると講演会は鳥羽市教育委員会 教育長によるあいさつで始まった。

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

 

あいさつが終了すると阪本博文さんが紹介された。

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

 

本日の講演の流れは次の通り。

  1. 自己紹介
  2. 今回のテーマについて
  3. そもそも祭りって何か?
  4. 祭りから見えてくるもの
  5. 現代における地域の祭りの意味
  6. これからの祭はどこへ行くのか? 祭の中断と復活

 

ここでは私のメモをもとにその内容をまとめた。

1.自己紹介

伊勢市に生まれ、二十歳前後に東京で写真と出会い舞台写真家に教えを受けた。伊勢市に戻ってからしばらくは写真と縁のない生活を送っていたが、前々回の(第61回)神宮式年遷宮でお木曳き、お白石持ち行事に参加し祭の良さを実感した。みんながひとつになって何か(練習、話、酒飲みなど)をする。そして、地域の祭をいろいろ見てみようと思い立ち、カメラを持って各地を回った。
故石原義剛さんに背中を押していただき、2004年に「祭国視集 晴れやかな持続へ」を出版したが、その時の写真には今振り返れば恥ずかしいものもある。また、私にとって祭はライフワークであると紹介されることがあるが、直接的な報酬は無く、ただただやりたいことをやっているだけである。特に祭の写真(集)は一般の本と比べると需要が少ない。それは祭の良さを伝えきれていないからか。今日は少しでも私自身で伝えられることを紹介したい。

 

2.今回のテーマについて
「祭国視集 晴れやかな持続へ」の写真をスクリーンにスライドショーで表示しながら・・・

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

 

なぜに三重の祭にこだわるのか。今までも全国を回ることはなかったし、今後も回らないだろう。それは三重県が祭に限らずあらゆる面で日本の縮図、原点であると感じているからである。風景、食べ物・・・すべてが豊かだ。特に伊勢・志摩・鳥羽に凝縮されている。
人間は生きる上で「元気」と「平和」が一番である。ただし「元気」はケンカっぽい。「平和」は事勿れ主義や進歩なしを連想させ、お互いは矛盾する面を持っている。しかし、祭はこれら「元気」と「平和」の矛盾する要素をうまく調査させてくれるものである。祭は理由以前に当たり前に存在し、毎年過ぎていく。

 

続いて、鳥羽で行われる祭の写真が順次スクリーンに映しだされた。
答志島の弓引き、神島のゲーター祭(現在は休止中)・六日祭、国崎の二船祭・ノット正月、石鏡の中参宮(なかさく)、畔蛸、安楽島・・・河内の火祭り(今は行われていない)、岩倉九鬼神社の鍬形祭など鳥羽各地の祭が紹介された。

 

3.そもそも祭りって何か?

Yahooで8月18日〜28日間に実施されたアンケート「今年の夏、祭にいきましたか?」によると約13000人のうち「行った」との回答が25%、「行っていない」が75%の結果だった。しかし「行った」のなかにはイベントのような祭も含まれ、「行っていない」人でもお盆に帰省して盆行事を体験しているケースもある。このように日本人のなかでも祭に対する認識に広がりがあり、祭の定義や意識は統一されていない。
祭は「時期」とか「やる人」によって変わるものではない。ひとつの生活の中でのハレとケとして溶け込む込んでいるものが祭ではないだろうか。

 

4.祭りから見えてくるもの

菅島のシロンゴ、答志島の海女の祭(シロンゴに匹敵する)、尾鷲梶賀のハラソ、二見の箕獅子、波切の大念仏、四日市のケンカ祭などの写真を見ながら

祭から見えてくるものは「平和だね」とか「相変わらず元気だね」と確認すること。
人間に必要な衣食住に祭が加わればいいな。

 

5.現代における地域の祭りの意味

従来の祭の主体であった町、村(ムラ)、区、神社などから運営主体が保存会や実行委員会などに移ることがあるが、(・・・)

※一時退席したため、この後のお話を聞きそびれてしまった。

 

6.これからの祭はどこへ行くのか? 祭の中断と復活
神島のゲーター祭は昨年は休止され今年も休止されるが、昨年の休止を受けて地元の子どもたちが子どもゲーターを実施した(太陽を模した輪であるアワやサバを作ることから始め、祭の最後まで体験)様子が映像で紹介された。

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

 

その映像は阪本さんが写真を撮りながらも撮影したものだった。そのため音声にはシャッター音が・・・。

このような事例を紹介しながら

祭の復活や存続に協力することはできない。それは当事者の問題だから。しかし微力ながら少しでも祭の良さを伝えたい。写真で祭の良さを感じていただくために本や雑誌で、最近ではインターネットを利用してタブレットやスマホでも見れる。

また、最近は祭の写真を撮りにやってくる方も多くなっている。

 

そして講演の最後には

阪本さんの写真集「祭国視集 晴れやかな持続へ」に刺激を受け、それをバイブルとして阪本さんと同様に三重県内を駆け巡り祭の写真を撮り続ける北出正之さんが紹介された。北出さんは撮りためた祭の写真をDVD化して今年の8月に出版された。

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

「地域の祭りの魅力~祭りは元気と平和の源~」阪本博文講演会@海の博物館

 

北出さんが出版されたDVDについてはこちらを!

【参考】

 

以上で、祭に対する熱い思いと優しさに溢れた阪本博文さんの講演会は終了となった。

今後も阪本さんや北出さんにお会いできるよう祭の現場に足繁く通わなくてはと心する機会となった。私も微力ながら祭の記録をブログに書き溜めておこう。

 

講演会が終了すると海の博物館を見学し、最後にギャラリーを訪れた。

海の博物館 ギャラリー(鳥羽市浦村町大吉)

海の博物館 ギャラリー(鳥羽市浦村町大吉)

 

こちらのギャラリーでは

海の博物館 ギャラリー(鳥羽市浦村町大吉)

海の博物館 ギャラリー(鳥羽市浦村町大吉)

 

阪本博文写真展『働く漁村シリーズ(2) 和具のイセエビ漁 が開催されている(た)。
10月6日(土)~12月5日(水)

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

 

入口付近には写真展開催にあたっての挨拶文や阪本さんのプロフィールが掲示されていた。

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

 

会場の至る所にイセエビを捕る人々が生き生きとした表情を浮かべていた。

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

 

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

 

作品とは別に惹かれたのはそれらに添えられたキャプションが「一文」で示されていたことだった。

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

 

観覧を終えると

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

 

中央のテーブルに置かれていた写真集に目が釘付けとなった。

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

「和具のイセエビ漁」阪本博文写真展 働く漁村@海の博物館

 

以前に二見の賓日館で体感した写真展を思い出しながら・・・

【参考】

 

 

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