写真好学研究所 08月定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

2019年08月04日(日) 写真好学研究所 08月定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore (車、徒歩)

7月7日に予定されていた定例研究会はその前日に中止が決定し、本日にまで延期となった。

国道163号から古民家Hibicoreへの丁字路

国道163号から古民家Hibicoreへの丁字路

 

今回の研究会は厳しい暑にもかかわらず、古民家Hibicoreは参加者であふれんばかりとなった。

古民家Hibicoreにて(津市美里町三郷)

古民家Hibicoreにて(津市美里町三郷)

 

古民家Hibicoeは空調の無い環境。私にとっては心地よい。

古民家Hibicoreにて(津市美里町三郷)

古民家Hibicoreにて(津市美里町三郷)

 

定例研究会はいつものようにゆるーく開始され、まずは研究報告の前に特別な報告と連絡、伝達事項が展開された。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

 

【岡副】
最初は、7月定例会を中止とさせたほどに喜ばしい岡副さんからの報告だった。
岡副さんは FUJIFILM SQUARE 企画写真展「平成・東京・スナップLOVE」の併催イベントであるポートフォリオレビューに応募した。7月5日に開催された一次選考を見事に通過すると7月7日の公開最終選考会に残ったのだった。本研究所の松原所長は 7月6日にその一報を受けると急遽東京行きを決断し、定例の研究会が中止となったのであった。

【参考】

 

最終選考の結果、岡副さんが優秀に選ばれることはなかったが、レビューアーから「明るさが見える。希望が見える」との評を受けるとともに、自分自身では「自分の現在のレベルがわかった。何を伝えたいのか自分でも把握しきれていない。」ことを認識した。さらには「限られて時間では盛り込み過ぎない」ことの重要性に気づくなどレビューへの参加の成果は大きかったようだ。

 

【田村】
田村さんから写真とは別に自身が描いている絵画展の紹介があった。
9月12日(木)〜17日(火) VOLVAXにて「イデアの捉え方 齊藤正美・星柿「左」 二人展」
同じものでも見え方は異なることを・・・ 伝えたいと。

 

【荻野】
荻野さんは、敬愛する岡山県の山口聡一郎さんについて紹介した。岡山県の田舎でギャラリー722を営み、自身のレーベルで多数の写真集を出している。持参した数冊が紹介された。
さらには、山口聡一郎さんの話題とは別に、地方で発行されている無料の写真集についても紹介。(私はそのZINEの名前を聞き逃した。)

 

【所長】
先日の北井一夫さんによる講評の際、北井さんからは

「地方でこんなにバリエーションがあるとは・・・。」

「○○さんの写真を気に入ったので全部見たい。」

とのフィードバックがあった。
また、写真好学研究所の現状について「岡副さんに外へ出てもらってから研究所が動いてきた感がある。」

 

【宗吉】
宗吉さんは、3枚組の作品「ホワイトゾーン」がJPS展で入選し、各地のJPS展講評会に参加した印象を語った。JPS展も各地で運営方法に特色があり、その差で好き嫌いがでてしまうようだ。

 

【所長コメント】
今後は公開のレビューも増える。そういう場所へ作品を出すのも、行ってみるもの面白い。積極的に参加してほしい。なお、レビューに参加するには写真の数は必要である。その数で関わっている時間を感じ(させ)ることもできるから。

 

【所長】
gallery176で開催される台湾の写真専門ギャラリー「1839當代藝廊」との交流展「1839當代藝廊(台湾)× gallery 176(日本)交流展 in Osaka」を紹介した。特に「作品制作に至るまでには特別な背景を持つ許曉薇さんの作品を観て欲しい。ギャラリートークに参加して欲しい」と。

【参考】

 

以上で報告等が終了すると、各研究生からの活動報告へ移った。

 

 

【桝屋】

指名され、今回のトップバッターは私だった。

来月9月1日の研究会には参加できそうにないため、9月に予定にしていたフォトブックの課題を前倒しで紹介した。それらは「常若なるお伊勢さん」と「立梅用水 たちばいようすい」の2冊。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

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【参考】 内容はこんなもの・・・

 

さらに、以前から伊勢和紙に印刷しようとの声が上がっていたため、伊勢和紙へのプリントを紹介した。「モノクロームな日々」の写真を伊勢和紙Photo 清ら芭蕉(2L判)に印刷した十数枚。その一部では同じ写真を滑面と粗面のそれぞれに印刷し、仕上がりを比較できるようにした。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

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【櫻井(幸一)】
みんなで津市の大門を撮ってWEBに掲載するイベントに参加した際に撮影した写真を紹介した。このイベントでは参加者がそれぞれ撮影した写真から30枚を提出し、主催者が全員分をまとめてWEBに掲載するそうだ。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

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子供の頃はお菓子を求め、大人になってからは酒を求める近所の大門。櫻井さんにっては人生の一部である場所を30枚の写真にまとめた。
まずは提出した30枚をテーブルに並べた。「世界観がバラけているので困惑している」と。その後、櫻井さんが自分自身で再構成した状態に並べ替えると、その一筋は映像のように流れるシリーズとなった。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

 

流れるシリーズのなかでも数種類のグループが存在していたので、削りに削ると30枚が数枚になった。

また、「今までは自分のために撮っていたが最近は他者のために撮るようになり額に入れた写真をプレゼントした」そうだ。ここではプレゼントしたものと同等の写真を紹介した。「写真用のフレームは高価なので手頃な値段の額に入れてみた」とのこと。
櫻井(幸一)さんの報告に対して、さまざまな意見が・・・

「人が入ると体温が入ってしまうので人を入れない方が良い。空気の中に有機物が入ってしまうと変わる。」 「不安な写真の方が新鮮である。」 「考えた写真と感じた写真が混在している。」 「自分が持っているニュアンスを探るとよい。」
「誰かに向けて撮る写真もいいが、それだけではなくその他にもさまざまな系統があれば良い。」
「額については別に公開講座を実施しよう。」

 

【山本】
宗吉さんの紹介で名古屋から訪れた山本さん。見学者として参加していたが、写真を持参していたので所長に促されてテーブルに並べた。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

 

「どのように撮ればよいのか定まっていない。花を撮るのが好き。スナップとして、変わった花、バリっと撮った、バリならモノクロ。」と並べられた写真にはそれぞれがテーマを持っていた。これらの写真を紹介しながら、「やはり柔らかいのが好き、もっと柔らか・・・。」
所長がモノクロで撮られた”夜の街”に対し「なぜ、モノクロ?」と問うと山本さんが「左側に赤い光が強かったから・・・」と。

それを受けて所長からは・・・

「柔らかいものもギトギトのものも両方を持ってきて試せば。たくさん実験すればよい。」 また、「街なのにノイズレスになっている。色などのノイズでも奥行きが変わる。」 「夜の街を撮る人は多いので、彼らの写真を多く観る。そのうえで自分の選択肢のバリエーションを試してから自分らしさを見つける。」 「取り組み方から変えることが重要だ。」

 

【田戸】
田戸さんが長年追い続けている神倉神社(和歌山県新宮市)の御燈祭。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

 

祭に参加する男衆が禊を始める場面など一般的には目にすることのない写真などなど、7年分を20枚にまとた。「その結果は自分の好きな場面が多い。セレクトしていて引きの写真も必要だと感じた」とのこと。専門のプリンターがいるショップに印刷を頼んでいるそうで、インクジェットでのプリントなのに輝きを放っていた。

 

【宗吉】
「枚数が足りないと言われたので、今までの写真から30枚を並べた。」と宗吉さん。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

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「迷ったら海(伊勢湾、自宅からすぐ)へ行く。」
単体では仕上がりの良い写真が並んでいるが、シリーズとしてのまとまりを要求している所長の指摘はいつも厳しく、次々と

「スクエアよりも長方形。」 「オシャレな感じで撮る必要はない。」 「このなかでも花を入れるなど意外性のあるものがいい。」 「夕景もいいが、同じ場所を昼、満月の夜など時間を変えて撮り比べる。」 「下手っぴには撮れないと言うが、すでに出来上がった精錬された自分を崩すという難しい作業が必要だ。」 「シリーズとして複数の写真をまとめるには、電線でつなぐなどの工夫も必要である。」 「時間を変えて撮って、20枚位のシリーズが欲しい、探したい。」 「切り撮るのが巧すぎるので、つなごうとすると辛くなる。」 「巧いから感じる写真へ」

 

【荻野】
荻野さんは”土の匂い”をテーマに写真を撮っているが、三脚を据えて撮る方法から手持ちで撮る方法に変更した。並べられた写真は、今までの過程を示すように3つのグループに分けられていた。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

 

所長の指摘は

「今までのは標本みたいだったが、手持ちで撮られた写真には歩いている感があり、”界隈”のキレイ版みたい。」 「光とかを考えてはいけない。自分が撮りたいものを撮る。」

 

【田村】
白黒写真を継続しつつも、カラーでも撮った。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

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所長からの指摘は

「しばらく考えずに撮る。フォトブックは花でもなく、モノクロでもなく、新しい作品をまとめる。」

 

【櫻井(義弘)】
伊勢湾と熊野の写真を並べた。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

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「伊勢湾ではのり養殖の風景にだいぶ前からのめり込んでいてこれしか撮りたくない。」
これらの写真に対して所長から

「無理やりはもういいので、これからは何を残すのか。」 「パノラマが良いか?」 「波紋はいらないかも」 「ボォっとした雪に見える海が面白い。」 「光を感じさせない写真・・・」

 

【寺本】
「2枚組の女」から最近は4枚組となっている寺本さん。

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

写真好学研究所 定例研究会(2019.8.4)@古民家Hibicore

 

今までは撮りためた写真のなかからパズルのピースを探すように写真を選び出して組み上げていた。
所長はさらなるステップアップを期してさらに厳しい課題を提示した。

「今後は1,2,3,4と撮った順番に配置して作品を作る。カメラを5台くらいぶら下げて変態にならないと・・・」

 

以上で、8月の定例研究会は閉会となった。
今回の参加者は所長を含めて12名(座席順に、寺本、岡副、武田、田戸、田村、松原所長、山本、宗吉、荻野、櫻井(幸一)、櫻井(義弘)、桝屋 :敬称略)。

次回は、9月1日(日)で、研究課題となっているフォトブックの発表である。

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

【前回の記録】

 

【過去の参加記録 こちらの記事の中にリンクあり】

 

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