2019年11月23日(祝、土) これで雨漏りも安心? 美装工事が開始された旧御師 丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町) (徒歩)
本日、「山田の世古」をめぐった第一の目的はこちらにあった。それは、伊勢市宮町に今も残されている旧御師 丸岡宗大夫邸の建物である。
それは「11月20日より丸岡宗大夫邸の美装工事が開始された」ことを知人が伝えてくれたからだった。
その工事の様子をひと目でも確認しようと思ったが、残念ながら本日は休工だった。
今回の工事では主屋の屋根の葺き替え(一部)、漆喰の塗り替え、刻み囲いの修繕等が行われるそうだ。そのため、築地塀や長屋門を眺めていても工事の様子はわからない。
なお、今回の工事により主屋の玄関から奥に掛けての雨漏りは改善されるとのこと。(ただし、屋根の土が落ちて垂れ下がっている天井まで手を着けられるのかは未定とのこと)
2019年04月07日時点
【参考】 さらに傷みが激しくなっていた旧御師丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町)(泣) 2019年04月07日
主屋の屋根を確認しようとこの隙間から覗いたところ
ブルーシートが掛けられている屋根を見ることができた。
さらに、その端には屋根が剥がされた場所を見つけた。ブルーシートの下はこのような状態になっているのだろう。
今回の工事は、丸岡宗大夫邸の維持・活用に向けて重要な工事なのだろう。
先日、天皇皇后両陛下が「親謁の儀」のために訪れられた伊勢神宮。式年遷宮の際には全国より莫大な御造営資金が寄進され、平日でも多数の参拝者が訪れる。このような状況が現在でも維持されているのは、かつて神宮大麻を全国に配り歩いた御師らの尽力があったからこそでもある。
伊勢神宮の維持・発展に大いに貢献した御師は明治政府により切り捨てられ、今となってはその記憶さえもが消し去られようとしている。
そんな中で唯一、御師の活動を伝えてくれるのが旧御師 丸岡宗大夫邸である。
また、御師 丸岡宗大夫が残してくれたのは建物だけではなかったようだ。
こちらは当主である丸岡正之さんが伊勢神宮の広報誌「瑞垣」の最新号(令和元年秋季号 244)に寄稿された論考「江戸期伊勢参りの人々の食について 丸岡宗大夫文書「献立」から」である。
丸岡宗大夫は、御師の具体的な活動内容についても後世に伝えてくれているのである。
今回の工事により御師館は倒壊の危機を免れることができたのだろうか、今後も維持され活用されるためにまだまだ先は長いだろう。
私にもできることを探りながら協力していきたい。