2020年03月01日(日) 伊勢和紙による 三輪薫 写真展「こころの和いろ-Ⅱ」(伊勢和紙ギャラリー) (車、徒歩)
大豐和紙工業株式会社にある伊勢和紙ギャラリーでは、本日より三輪薫 写真展「こころの和いろ-Ⅱ」が開始された。
伊勢和紙による三輪薫写真展「こころの和いろ-II」
会期 ◎ 2020年3月1日(日)~29日(日) 9:30~16:30
◎ 3月8日(日)・15日(日)・22日(日)は休館
会場 ◎ 伊勢和紙ギャラリー (大豐和紙工業株式会社 内)鮮やかでもドラマチックでもない、優しくさりげない日本の自然風景の表情には微妙な機微に溢れた魅力があります。写真家三輪薫は日本の四季折々に美しい自然風景と向き合い、カメラで日本画を描くような作風の構築を目指してきました。多種多様な伊勢和紙に日本的な色で描かれ表現された世界観が、見る人の心に優しく余韻を残します。2016年に開催した「こころの和いろ」展の第二弾です。
キヤノンギャラリー展 (2019年 銀座・大阪) の巡回展。新作12展を追加して展示します。
【「こころの和いろ」展についてはこちら】
- 伊勢和紙による 三輪 薫 写真展「こころの和いろ」@伊勢和紙ギャラリー 2017年09月18日
【その他の三輪薫写真展】
- 三輪薫写真展 Rock-Ⅱとワークショップ「風」写真展(伊勢和紙ギャラリー) 2019年02月16日
- 伊勢和紙による三輪薫「仏蘭西・巴里」とフォトワークショップ「風」写真展(伊勢和紙ギャラリー) 2016年02月27日
まずは、敷地内にあるミツマタを確認に行くと数輪が花をつけていた。
続いては敷地内にまつられている神社、三輪(みつわ)神社にお参りした。
【参考】
- 三輪(みつわ)神社の名前の起源@大豐和紙工業株式会社 2017年09月18日
ここで私にとって重要なキーワードは「三輪」の二文字。「三輪」薫さんの写真展に対し、こちらの神社は「三輪」神社。読み方は異なるものの漢字はともに「三輪」である。
神社の「三輪」は先のリンクでも紹介したように大豐和紙工業株式会社の起源を示す象徴である。また、三輪薫さんは大豐和紙工業とお互いを刺激し合いながら印刷用和紙の開発に貢献している。三輪さんによれば「どこのギャラリーや展示会場よりも伊勢和紙ギャラリーが重要な場所である」とのこと。まさにホームグラウンドだ。
このような関係性は偶然ではなく「三輪」つながりの必然なのだろう。
こんなことを考えながら
伊勢和紙ギャラリーへ向かうと
玄関の引き戸を開けた。
玄関へ入るとこの場所から展示は始まっている。
二階のギャラリーへと続く階段を進むと階段にも多数の作品が展示されている。
二階へ上ると開かれたサブギャラリーの扉にはこちらの案内が掲示されていた。
三輪薫 写真展
「こころ の 和いろ」心に響き、余韻が残る
優しい表情にひかれる
心地よい風を感じ
光にさまよい
自然に寄り添って
至福の時を楽しんでいる色合いも
鮮やかな絵の具で描いた油絵よりも
薄い色合いの顔料を
和紙に幾重にも塗り重ねて表れた
日本画の色調が好きで
「和いろ」といっている
その淡い色の中にも深みを感じる色が
自分が求める理想の色で
和紙はうまく受け止めてくれる
三輪さんが在廊されていたので、いろいろなお話を伺った。
作品によっては白色の背景が周囲と融合してほしいものもあれば、融合してほしくないものもある。そんな作品では作品にある代表的な色を使って枠を描いてある。
メインギャラリーのセンターに展示してある作品などは強力磁石で固定してある。磁石一個でも十分に吊れる力はあるが左右が垂れてしまうためここでは左右を押さえてある。もし、このサイズを裏打ちしたらその費用は数万円は下らないだろう。磁石方式は費用が安く、長い開催期間で和紙が伸縮しても容易に調整できる。
背面から光が当たる窓、その前に吊られている作品は複数の和紙が重ねられている。作品によっては前面に厚いもの、逆に背面に厚いものを配置するなど作品毎に最適な効果を期待して配置している。さらには、このような前後の配置だけでなく、前後の和紙を左右(上下)にずらして深みを表現している。
展示リストでもわかるように作品に最適な和紙は種類がさまざまである。作品イメージに最適な和紙のイメージを伝えて和紙を作ってもらっているし、和紙の職人からはアイデアをもらっている。
この額装された作品は和紙が2枚重ねで、背面の見えない部分にはもっとも高価な和紙を使っている。(※さて、どの作品でしょうか? 展示一覧を確認すれば・・・)
今はデジタルカメラを使用しているから色などの調整はボタンでできる。しかし、フィルムの時代には個性の異なるフィルム銘柄を作品で使い分けるために、銘柄の異なるフィルム毎にカメラを用意した。そのため重いカメラを5台も6台も背負っていた。細身の身体には大変だった。
一つの作品展で11種類の銘柄のフィルムを使ったのが最多だった。
などなど・・・
【サブギャラリー】
【メインギャラリー】
【伊勢和紙館】
【伊勢和紙ギャラリーにて、私が体感した企画展ほか】
- 第六回 伊勢和紙プリントの会 作品展@伊勢和紙ギャラリー 2019年09月28日
- 高潤生 個展「聖地伊勢」印風文字画・かな篆刻・書(伊勢和紙ギャラリー) 2019年06月01日
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- 三輪薫写真展 Rock-Ⅱとワークショップ「風」写真展(伊勢和紙ギャラリー) 2019年02月16日