千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369(津市美里町三郷)

2019年10月13日(日) 千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369(津市美里町三郷) (車、徒歩)

gallery0369(津市美里町三郷)では、次の写真展が開催されている。

2019 Project Photo Exhibition 千賀英俊写真展 “HOMI”

期間: 2019年10月10日(木)〜 10月20日(日)
【詳細は】 2019 Project Photo Exhibition 千賀英俊写真展 “HOMI” | gallery0369

 

【参考】

 

太陽が傾きかけた午後4時頃、

gallery0369付近(津市美里町三郷)

gallery0369付近(津市美里町三郷)

 

津市美里町三郷にあるgallery0369へ。

gallery0369付近(津市美里町三郷)

gallery0369付近(津市美里町三郷)

 

gallery0369は、写真好学研究所の例会に参加するために通い慣れた古民家Hibicoreに隣接している。

gallery0369および古民家Hibicore(津市美里町三郷)

gallery0369および古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

古民家Hibicoreの入口でギャラリーへと誘われると

gallery0369への案内掲示(古民家Hibicore)

gallery0369への案内掲示(古民家Hibicore)

 

坂道を下り、青い扉を開けた。すると初対面の女性が迎えてくれた。

gallery0369(津市美里町三郷)

gallery0369(津市美里町三郷)

 

本日、千賀英俊さんは別会場(旧豊田東高校 弓道場跡地での写真展「蒼茫の記憶+石和温泉郷」)に在廊しているとのことで、こちらではアシスタントの彼女(ここではTさんと呼称する)が応対してくれたのだった。

Tさんは「何でも聞いてください。わからなければ電話します。」と屈託のない笑顔で・・・

 

ここで展示されている作品“HOMI”は、タイトルの通り保見(団地)に住む人々およびその生活を対象としたものである。保見団地は愛知県豊田市保見ヶ丘にあり、近辺の自動車関連企業で働く外国人(特に南米出身)が多く住む。千賀さんは写真専門学校在学中に課題として取り組み始め、今も訪れているそうだ。

 

会場に掲示されているテキストの冒頭には

最初に保見団地を歩いた時、外国に迷い込んだような錯覚を起こした。国や人種の境界に興味をもった私は、この団地に通い始めた。
家族を思い夜遅くまで働く父親、ブラジルの郷土料理フェイジョアーダを作って家族を待つ母親、日本で生まれ日本語の学校に通う子供、多くの日経ブラジル人と出会ううちに、ブラジルとは大きく違う環境で生きていく彼らの力強い生命力に惹かれていった。

と記されていた。通い始めてから十数年、今でも訪れる理由はここに集約されているのだろうか。

 

また、さらに続くテキストでもっとも印象的だったのは

ふと視線を上げるとふすまに大きな絵が描かれている。

の一文だった。

 

テキストから続く左側のウォールに魅入いろうとすると

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

 

作品の下に掲示(?)されたキャプションに魅入ってしまった。

なんと、キャプションがこのように手書きとなっていた。しかも撮影年にが。

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

 

さきほどのTさんによると、写真展の開催に際し展示を終えた時点でキャプションが設置されていなかったため、ギャラリーのオーナーである松原豊さんが「手書きで・・・」と提案したそうだ。

それにしても、撮影年の「」を見れば千賀さんの無頓着さが感じられ、微笑ましい。作品にはこだわっても、余計はことはどうでもよいのだろうか。ここにはいない本人を想像しながら左側のウォールを・・・

 

左側から中央へ移動するとモノクロームの世界からカラーになり、作品のサイズが大きくなっている。

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

 

なぜにこんなに変化したのだろう? とTさんに尋ねると

巨匠が多いモノクロの世界から離れたこともあるが、この変化の大きな理由はカメラが変わったから・・・

とのことだった。中央の作品でいきなり臨場を感じた。

そして、右側のウォールへ。こちらはオブジェクトにインパクトがあり、人でさえもがオブジェクトとして感じてしまうほどだった。その中に、最初のテキストに記されていたふすまに大きな絵が登場。テキストも印象的だったが、写真はなおさらだ。

 

また、背面のウォールにはこちらの一枚のみ。

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

 

この一枚はギャラリーの備品かと思えるほどにここに馴染んでいた。ここに写っているのはどこ、なぜにこの作品をこの場所に・・・。Tさんが千賀さんに電話で確認してくれたところ、この写真も保見団地のもののようだ。写真の中には「TOYOTA Grill」の文字が見えるのでレストランへの経路か・・・。

 

さらに、ギャラリーの中央には千賀さんの作品が掲載された書籍、冊子も展示されていた。

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

 

【参考】

 

ここに並べられていた写真冊子「唐紙の花」には展示されている作品に色付けされる前の状態が納められている。

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

 

千賀さんは「一期一会」を信条として活動されているようだが、随所に二会、三会が感じられる。それほどに惹きつけられる人々や彼らの生活がここにはいる(ある)ようだ。

自宅を何度も訪れているケースもあり、アケミさんもそのひとり。

DMの写真に採用された写真の彼女であるが、

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

 

その写真には彼女よりも気になるものが写されていた。それは写真の上部に写っている赤い部分。落書き?、血液?、口紅? さまざまに想像してしまったが、現物を確認するとどうも印鑑のようだった。さらに別の想像が頭を駆け巡る。

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

千賀英俊写真展“HOMI”@gallery0369

 

ポートレートが中心でその中にはオブジェクトも・・・。千賀さんは被写体となる人々には何も要求せず合図もせずに黙々と撮っているそうだが、すべての写真で視線をもらっている。これは被写体となる彼らの気質なのか、それとも千賀さんのなせる技なのか。そんなことはどうでもいい。ここには保見団地に住まう彼らと対等に向き合う千賀さんの温かい眼差しが感じられた。それに応えた視線なのだろう。

 

閉館の時刻まで居座ってしまったのでgallery0369を後にすると外には素晴らしい景色が待っていてくれた。

gallery0369付近(津市美里町三郷)

gallery0369付近(津市美里町三郷)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です