鳥羽市立図書館で調べた小幡貫一郎の役職は代官

2019年12月15日(日) 鳥羽市立図書館で調べた小幡貫一郎の役職は代官 (車、徒歩)

磯部生涯学習学センターにて星埜由久さんによる講演会「伊能忠敬の志摩測量」が終了すると鳥羽へ急いた。その理由は鳥羽市立図書館で調べたいことがあったからだった。

あれは12月9日のこと、
メールを確認するとブログの[お問い合わせ]ページから寄せられた問い合わせが1件届いていた。
それは、古文書を学んでいる方からの「小幡貫一郎の役職(代官、吟味役など)」に関する問い合わせだった。この方は、ネットで「小幡貫一郎」を検索したのだろう。

その結果、神宮巡々3における次の投稿がヒットしたと思われる。

【参考】

これらは伊勢古文書同好会で古文書「天保八年酉年四月 山田小林御役所出之控・・・」を読んだ勉強会での記録であり、たまたま次回の勉強会の開始箇所を示すために「小幡貫一郎」の名を記したものだった。

勉強会のために配付された古文書のコピーにはその文書内に「御代官所 小幡貫一郎様」とは書かれていた。また古文書をコピーした後で「鳥羽代官 小幡貫一郎」の文字が追記されていたのだが、誰が追記したのか?本当に代官なのか?私は確証を得られなかった。そのため問い合わせいただいた方には「彼の役職を示す情報はありませんでした。」と返信した。

しかしその後もモヤモヤした気持ちは晴れず、小幡貫一郎の役職を知りたい気持ちが自分自身のなかでも高まっていた。調べるなら鳥羽市立図書館だろうと考えていたので、磯部を訪れた帰りに立ち寄ることにしたのだった。

図書館へ向かうと真っ先に郷土資料室へ向かった。鳥羽市(鳥羽藩)に関わる資料を探していると先の古文書と同様に「(御)代官所 小幡貫一郎」の記述には出会うのだが、彼の役職を示す表現を見つけることができなかった。

そのため、司書の方にお願いして調べていただいた。もちろん図書館のシステムで「小幡貫一郎」を検索してもヒットしなかった。司書の方が機転をきかせて「鳥羽藩」で検索してくれ結果がこちら。

【資料詳細情報】鳥羽市立図書館

【資料詳細情報】鳥羽市立図書館

そのなかで、最初に調べたこちらの書籍。なんとこれがビンゴだった。

【資料詳細情報】鳥羽市立図書館

【資料詳細情報】鳥羽市立図書館

 

天保期の鳥羽藩の窮乏 中田四郎著 三重の文化31(三重の古文化通巻72号)のページをめくると、今浦文書から翻刻された文書(-8-ページ)として次の記述を見つけた。

代官 金森文右衛門 印
同  小幡貫一郎  印

 

これで、小幡貫一郎が代官であることはほぼ間違いないだろう。本来ならその原本にあたるべきだが今浦文書(733通)は昭和45年8月28日に鳥羽市の指定文化財となり鳥羽市浦村町今浦地下が所有している。

今日のところは図書館も閉館時刻が迫っていたので、司書の方にお礼を述べて後にした。

 

これでモヤモヤは90%程が解消された。
あとは別の事例を見つけて複数検証が必要だ。
一時間ほどの楽しいひとときだった。

 

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