2019年10月13日(日) 神御衣奉織鎮謝祭(神服織機殿神社、神麻続機殿神社)2019年10月 (車、徒歩)
10月14日に内宮で皇大神宮と荒祭宮にて斎行される神御衣祭のために、皇大神宮の所管社である神服織機殿神社および神麻続機殿神社ではそれぞれの八尋殿にて和妙(絹)および荒妙(麻)が奉織されていた。
【参考】
- 神御衣が奉織される両機殿めぐり(神麻続機殿神社・神服織機殿神社) 2019年10月06日
そして、神御衣祭の前日には神服織機殿神社および神麻続機殿神社において、神御衣が清く美しく織り上がったことを鎮謝する祭典、神御衣奉織鎮謝祭が斎行される。
神御衣奉織鎮謝祭は、午前8時に神服織機殿神社にて、その後引き続いて神麻続機殿神社にて・・・。
神御衣奉織鎮謝祭の次第は次の通りで、神服織機殿神社、神麻続機殿神社ともに同様である。
禰宜、権禰宜、宮掌、3名の神職と神御衣を奉織した織子4名および祝部が奉仕者となり、まずは祓所にて辛櫃に納められた幣帛とともに修祓を受ける。続いて、各神社にて神拝の後、八尋殿へ移動すると神御衣を納めた辛櫃を祓所へと運び出す。その後、各神社に幣帛を奉った後祝詞奏上、八度拝にて祭典を終える。
ただし、神麻続機殿神社では荒妙が納められた辛櫃と神服織機殿神社から運ばれた(和妙は納められた)辛櫃は祓所に並べられ修祓を受ける。その後、ワンボックスの車両で内宮へと護送される。
なお、今回は台風のおかげで特別な光景を目の当たりにすることができた。それは通常なら神御衣奉織の期間は神社の殿舎前に設置されている幄舎が取り外されていたからである。祝部さんに訪ねたところ。大きな台風の予想が出ていたため取り外しを依頼したとのこと。さらに、奉織の期間に幄舎がないことは未だかつてなかったとのことだった。
ここでは、神御衣奉織鎮謝祭に加え、幄舎が無い状態も・・・
【神服織機殿神社】
【神麻続機殿神社】
神麻続機殿神社での神御衣奉織鎮謝祭が終了すると拝観に来ていた知人が声を掛けてくれた。
挨拶を交わした後、「絹と麻は内宮にも荒祭宮にも納められる・・・・?」のような質問形式の言葉が。
その理由は辛櫃に下げられていた木札にあったのだった。
一方の木札には「皇和」、他方には「荒荒」と記されていた。つまり、その知人は「皇大神宮には和妙」「荒祭宮には荒妙」と思ったのだろう。
神宮要綱などによれば、神御衣祭では和妙(絹)および荒妙(麻)が御縫糸、御針などとともに調進される。皇大神宮では幅のサイズ違いを合わせると和妙が二十四匹、荒妙が八十匹であり、荒祭宮は十三匹と四十匹である。
現在、両機殿の八尋殿では和妙、荒妙それぞれが一匹(長さ四丈の布の単位)ずつしか奉織されていないため、こちらから調進するものは皇大神宮と荒祭宮に振り分けられているのだろう。
伊勢神宮の衣食住(角川ソフィア文庫) 矢野憲一 著によるとその他で必要となる員数は愛知県木曽川町(現一宮市)と奈良県の月ヶ瀬の専門業者に委嘱しているそうだ。