2020年01月11日(土) 屋根には防水シート、修繕が進められる 旧御師 丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町) (車、徒歩)
伊勢市立伊勢図書館を訪れた後、昨年末に修繕が開始された旧御師 丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町)へ向かった。長屋門の前には軽トラックが駐められていたが
長屋門は閉ざされていた。しかし、通用口(潜戸)は開いていたので中を覗き込んだ。以前にお会いした大工さんが休憩に入るところで、挨拶を交わすと現状を話していただいた。
屋根の張替え工事が進められていて
防水シートを張った部分は先日の嵐のような大雨でも雨漏りはなかった。しかし、今回の工事対象ではない井戸がある土間の部分では雨漏りがあり土間の湿気がひどくなった。2ヶ所の天窓から雨が落ちたのだろう。
とのこと。
屋根工事とともに
室内の工事も進められているようだ。
屋根の様子が気になったので足場へ上る許可をいただくと私は足場への階段を進んだ。
丸岡宗大夫邸でこんな風景を眺めるのは初めてだったので
長屋門の屋根も眺めてしまった。
視線を戻して防水シートの状況を確認すると
修繕された屋根の全面に防水シートが張られ、この部分の
雨漏れ対策は万全の状態だった。こちらの屋根工事が終わると瓦職人の出番となる。
通用口(潜戸)の方から声が聞こえたので、足場から見下ろした。今後、こんな経験でできないだろう。貴重な体験がありがたい。
また、私の他にもご近所のおばあちゃんが現状を気にして訪れていた。先代の話などを大工さんに語っていた。近所の方も気にかけてくれているのだ。
歴史を振り返ると、御師が存在しなかったならば現在の内宮や外宮の賑わいは無かったかも知れない。そんな重要な存在だった御師は明治政府に切り捨てられた。そして、現在に残された御師邸は丸岡宗大夫邸のみであることを考えれば伊勢市にとって無くてはならない歴史的遺産である。
丸岡宗大夫邸が倒壊しそうな状況と行政への要望について本ブログでも何度か書いている。
【参考】
- 「さあ、伊勢市が重い腰を上げる時が来た!」、旧御師 丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町)の特別一般公開 2019年12月21日
- さらに傷みが激しくなっていた旧御師丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町)(泣) 2019年04月07日
- 伊勢市は何と天秤にかけたのか?、旧御師丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町) 2017年02月19日
今回の修繕工事はありがたいことなのだが、聞くところによると今回の修繕工事は文化庁の助成(全額ではないにしても)があったから実現したそうだ。
伊勢市はどのようなスタンスで丸岡宗大夫邸と関わっていくのだろうか。
極端な言い方かもしれないが『御師なくして神宮の賑わいなし』と考えれば明らかだろう。
【旧御師 丸岡宗大夫邸 主屋の修繕】
- これで雨漏りも安心? 美装工事が開始された旧御師 丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町) 2019年11月23日
- 美装工事は今も続く? 旧御師 丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町) 2019年12月07日
- 主屋の修繕(木工事)が進められる 旧御師 丸岡宗大夫邸(伊勢市宮町) 2019年12月21日