2018年04月08日(日) 2回目の探索でたどり着けた山宮神事(山宮祭)の遺蹟(度会郡玉城町積良) (車、徒歩)
昨日は荒木田二門の祖霊が宿る聖所と拝(おが)み所を探すために度会郡玉城町積良にある2つの池(泉貢池、大内谷池)の周辺を探しまわった。しかしながら見つけることはできずに帰宅。その後で玉城町史上巻を確認すると次の通り記されていた。
中央丘陵西麓を登り泉貢池の高い堤を渡って山麓を南に向かうと、「拝(おが)み所」と呼ぶ古跡があり、池畔を30メートルほどたどると右山腹に石段があって石積みの上に扁平な巨石が置かれている。荒木田二門の祖霊が宿るとされてきた聖所である。・・・
この記述によれば、昨日に泉貢池の堤の周囲に設置された金網に行く手を阻まれた先に目的の場所があることがわかった。
このことを知ったからには再訪せねばならぬ。
朝食をとり終えると車を走らせていた。昨日は積良集会所であったが、本日は幸神社を起点として巡ることにした。
幸神社に車を駐めさせていただき、こちらの参道を歩いて出ると
まずは積良集会所を目指した。この道を真っ直ぐに進めば家並みが途切れた辺りに
集会所がある。ここでは昨日、弁天堂や鬼瓦等を見学した。
なお、集会所の入口には庚申堂があり、その裏側にはため池の堤へと登るために設置されていたコンクリートブロックが置かれていた。こらは残りか、それとも別の場所に設置するためののものだろうか?
この道を道なりに進めばひとつのルートである伊勢自動車道の 勢和多気36トンネルにたどり着く。
しかし、先日より御造替が開始された津布良神社(皇大神宮 末社)のことが気になったので少し遠回りしてお参りすることにした。
津布良神社でのお参りを終えると津布良神社の入口付近にあるこちらの階段を登った。こちらの階段も先ほど庚申堂の裏で見かけたコンクリートブロックが利用されている。
階段を登るとその先にはこんな風景が広がっている。坂道を下ると
積良集会所からの道路と合流するので、合流してからは道なりに進む。すると、鳥獣被害防止のためにフェンスの扉で入口が閉ざされた勢和多気36交差(以降、トンネルと称する)の前にたどり着く。
本日は急いでここを通過し写真を撮り忘れたので、昨日の写真を貼っておいた。ここでも鎖で扉がロックされている。その鎖を外せば自由に入ることはできるが、この扉には鉄パイプが左右の扉に掛かるように水平に掛けられていた。鉄の棒と鎖、二種類に対応する必要があったため面倒だ。側溝の細い縁を歩けばフェンスの左側から容易に回り込めるため、今回はその方法を採用した。(何も問題なく通過!)
これは昨日の写真
トンネルをぐぐり抜ければ
その先は道なりに進む。(昨日はこの先を真っ直ぐ進んで、別の谷筋も歩いてみた。)
トンネルの番号を確認すると
舗装された道に従った。
ここで左の土道との分岐となっている。(昨日は左のルートを辿り、泉貢池の東側をかなり奥まで歩いた。)舗装された道を真っ直ぐ進むと
昨日は堤へ登ることを諦めた場所にたどり着いた。さぁ、今日はここからが勝負だ。
ここではガードパイプを利用して金網を越えると
階段を進んだ。ガードパイプで囲われた中に大きな桝があり、そこへと通じるパイプの奥からは犬の鳴き声のような音が聞こえていた。(あれは何だったのだろう?)
階段を登りきればその先は泉貢池が広がっている。
早速、先の説明に従い、堤を西方向へ進んだ。
振り返ってパチリ。結局のところこの堤の左右にはこのように金網が張られ、堤に下にも設置されていた。短い脚で何とかこの金網を越えると振り返って撮っていたのだった。(このように周囲に金網が張られているのは立ち入りを制限するためだろうからこのルートは適当ではないかもしれない。)
堤の西側からは予想通り池の畔に沿って南方向へと小道が続いていた。
水面を左に見ながら先へ進むと
前方が変化してきた。
開けた場所にたどり着いた。右の方には林道が走っていた。(帰りはこの林道を右方向へと下ったのだった。)
ここからもさらにため池の畔に沿って歩いた。
すると突然、木々に隠されるようにして鳥居の一部が目に入った。(ついに見つけた! 私は心の中で叫んでいた。)
ここは拝(おが)み所だった。
鳥居にはしめ縄が掛けられていた。一部の紙垂は落ちてしまっていたが、しめ縄自体はまだ新しそうだった。
さらに急な斜面を進むとその先には二本の木の幹にしめ縄が張られていた。
その奥もかなりの傾斜となっている。
拝(おが)み所を後にするとさらに奥へと進んだ。
数十m歩くと右手方向に白い鳥居が見えてくる。
ここでは例のコンクリートブロックで階段が作られていた。
階段を踏みしめるように進むと
鳥居の先には
石で囲われた中に立つ二本の木にしめ縄が張られていた。ついに荒木田二門の聖所を見つけることができた。
しかしながら、あまり知識を蓄えずに探すことを優先してしまったため、消化不良の部分がある。今後は柳田国男の「山宮考」を読み、その根拠となる史料も読んでみよう。そんなことを考えながら泉貢池の畔を戻っていると
先ほどの分岐まで戻ってきた。そこからは林道へ出るとこの切通しの左記にある伊勢自動車道 勢和多気35トンネルへ向かった。
こちらも36トンネルの入口と同様に鎖と鉄パイプで施錠されていた。外せないこともないが面倒そうなので、左端の金網が低い部分から脱出した。トンネルと抜けると
あとは道なりに・・・
こちらの分岐で右を選べば勢和多気36トンネルへたどり着くが、今回は左方向へ進んだ。
その先には幸神池は広がっている。道路は池の畔を左へ巻くように走っている。私は近道のためにこの橋を渡った。
林の中を抜けながらのパチリ。
近道を終えると幸神池を振り返った。
曇り空のなかこの子だけが一際目立っていた。
幸神池を後にすると道路の向かいに見える幸神社へ急いだ。本日のスタート地点でありかつゴールでもある。道路沿いに見える踏み跡を登ると
境内の隅から・・・
お参りを終えてから石階をくだるが
その前に振り返ってのパチリ。
1時間半ほどでの山宮神事(山宮祭)遺蹟探索は無事終了した。
今回の探索で、山宮神事(山宮祭)の遺蹟である拝み所と荒木田二門の祖霊が宿る聖所へ向かうルートは二種類(勢和多気35トンネル経由または勢和多気36トンネル経由)があることがわかった。扉や金網などの障害の数を比べると勢和多気35トンネル経由のルートが平易だろう。
しかも幸神社を起点に幸神池から南下するのみだからわかりやすい。
【参考】 昨日の徒労
- 山宮神事の遺蹟、見つけられず(度会郡玉城町積良) 2018年04月07日
こちらの記事で詳細なレポートされていたんですね。失礼しました。ぜひ次の機会に訪れたいと思います。ありがとうございます。
湖衣さん、こんばんは
たどり着いてみれば迷うほどの場所ではありませんでした。獣害対策用のフェンス等が障害となりますがそれほど問題はなくたどり着けると思います。
今でも祭典が執り行われているようですので、いつ誰がどのように斎行しているのか調査しなくてはと思っています。もし、先にお分かりになればご教授願います。では、また、
コメントありがとうございます。
私は、2年ほど前に玉城インターそばの道の駅さんにコンタクトを取って、現地まで案内してもらえるところまでやりとりして話が止まったままになっていました。もしかすると道の駅やその中に観光協会があったと思うのですが、そちらで情報が得られるかも知れません。私の方でもいずれ現地を調べてみて何かあればシェアいたしますね。よろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします!
おひさしぶりです。
山宮を知って5年、こちらのブログで行き方を知ってから3年越しでやっと現地を訪れました!
この記事のおかげで幸神社からショートカットで到着!ほんと助かりました。
(日没後で薄暗い中、途中うっかり林道のほうを進んでしまって、気づくまで傾斜のキツさにひいひいいいましたが・・・)
あと、2箇所とも鳥居のそばに「山宮」と書いた新しそうな立て看板が立っていました。今もお祭りしている方たちが整備したのでしょうか。
ともかく、ありがとうございました!
湖衣さん
目標の達成、おめでとうございます。
私は久しく訪れていないので、新しい「山宮」看板を確認するために再訪したくなりました。
ご報告ありがとうございました。
では、また、
前の遷宮の頃、津布良神社を訪れました。山宮考に記されている、直会の後、一言も発せず、振り向くことなく、黄泉の国を訪れるが如く行く斎場のことは、気になっておりました。詳細な記事ありがとうございます。本日、拝見致しました。2022.10.17
津布良直也 さん
コメントありがとうございます。
私も久しく訪れていないため、あらためて訪れたくなりました。