写真好学研究所 06月定例研究会(2018.6.3)@古民家Hibicore

2018年06月03日(日) 写真好学研究所 06月定例研究会(2018.6.3)@古民家Hibicore (車、徒歩)

2ヶ月ぶりの定例研究会。少し離れた場所に車を駐めて古民家Hibicoreに向かうと女性陣が先行していた。

古民家Hibicoreへ(津市美里町三郷)

古民家Hibicoreへ(津市美里町三郷)

 

開始時刻(13時)まで時間があったので、久しぶりの古民家Hibicoreにてパチリ、パチリ・・・

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

すると先ほどの女性陣も庭の緑を楽しみながら談笑していた。

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

そろそろ時間となったので中へ入ると女性陣が淹れてくれたコーヒーをすすりながらのゆるーい雰囲気にて定例研究会が開始された。

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

今回も各自が撮影した「三重の風景」のプリントを並べ、所長と研究生から様々な評価を受けた。

 

【田村】

まずは、ご近所にある劇場「Théâtre de Belleville」での公演「伊藤キム・ソロダンス」を観覧するため、あまり時間がない田村さんから開始された。コピー用紙に印刷されたスクエアなモノクロ写真で、石・風景・花の3種類が被写体となっていた。

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

左右上下どこから見てもOKであるようにスクエアにした。最初からスクエアで撮ったのではなく、普通に撮影してトリミングした。撮影はモノクロ、カラーさまざまで、カラーはモノクロ化した。

石は伊勢神宮の石でその表情を気にした。

風景に写っている倉庫にはうっとりしてしまう。素敵だと思う。

これに対して、様々なフィードバックあった。

3種類のなかで風景にある倉庫が面白い。小屋ではなく倉庫であるところが特に面白い。倉庫は小屋に比べて扱いがぞんざいだから。また倉庫は外からだけでなく、内からの写真があると面白い。(撮影許可を得たりするのは大変だが)なお、倉庫に寄らない方が良い。風景は松浦武四郎のように(胸を張り視点を統一して堂々と(?)撮る。

倉庫を中心に三重が見えてくるか?

倉庫の写真には、撮影日時と場所(@)を明確にしておけば、展示の際に役立つ。

また、所長がスクエアの四方を折り曲げながら

安い紙は曲げたり切ったりできるから良い。
縁を無くすと見え方が変わり、二枚組、三枚組にしてもさらに面白くなりそうだ。
本にしてパタパタも・・・。写真一枚でもものを言うが、組み合わせでものを言うも面白い。

倉庫以外の石、花については

石については人が入るとリアルになり過ぎる。

花は難しい。なかには色を感じさせてくれるものがある。湿っぽい感じだ。白黒で色を見せるためにはどうするか?実験的要素が多い、距離、花との接し方などなど。

石は趣味で撮ります。

 

【猪野】

次に、iPhoneでの撮影を続けているが最近になりデジカメが欲しいと言っている猪野さん。しかし、なかなか購入には至らないとのことだ。

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

チガヤの風景が気に入り10枚ほど。
また、田の水に映ったのが面白く夜に撮りに行った。

これらの写真に対し

チガヤはそよそよ感が出ていない。それには別途技術的な講座を実施しよう。
チガヤの写真は空を入れた方がいい。また、ゆらゆら感は満月の夜などに撮るといいかも。

田の水の写真も良い。

 

【櫻井(父)】

櫻井(父)さんは写真撮影を始めたきっかけとなった 海帰線―海と雲の「環境写真集」(土井九郎) を持参し、まずはそれを紹介した。なお、他の写真クラブでは賞取りを目指していたそうだ。

知人から紹介されたこの写真集を見て写真を撮るようになった。今日は初期の頃に撮った写真を並べた。写真のために撮る写真から私のために写真に戻したい。そのために写真を撮り始めた時の自分に戻りたい。

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

海・山関係なく、ぐぅわぐぅわした中庸感が面白い。また、夕日を極端にオレンジにしていないのもいい。(櫻井さん曰く、「実際にはもっとオレンジ色だったものを逆に抑えた」結果だった。)

他の写真クラブと当研究所の女子の反応は大いに異なる。他人の評価も必要だが「こんな写真を撮りたい!」が重要である。

変化した自分を取り戻そうとしてもその時の自分には戻れない。自分自身が変化しているのだから。

原点の自分を取り戻すためには、賞取りのために身につけた写真の常識を取り払う必要がある。そのためには考える前に撮る、つまり自分の感覚を信じてまずは撮る。撮ってから考えれば良い。

切れ味が良くない写真の方が良い。

最終目的は写真展だけど、本人が見せたいものを見せれば良い。

 

【宗吉】

女子からの「その服かわいいですね!」の言葉を照れで返しながら、いつものようにレベルの高い完成品が並べられた。そのなかには和みのためにと1対1でのモデル撮影写真も数枚含まれていた。

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

所長から

抽象的なものは避けて具象的な、向こうの関係の情報が見えるもの、特に色を抑えてネガカラーで撮る。宗吉さんの空は印象的過ぎるので空の面積は少なく、モノクロはストップ。技術的なことは十分極めているので紙の無駄にならないようにもう印刷はやめよう。

縦位置の写真はすぐにでもポストカードにできる。

今後は具象的な方向で行こう。

 

【桝屋】

私は前日完成した「モノクロームな日々 2017」のフレーム1面(7月分)と自宅玄関ギャラリーに展示された12面を撮した魚眼写真を並べた。

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

【参考】

 

所長からは

今は、時間の変化を表現する方法、レイヤーを重なることも必要になっている。

との言葉をいただいたが、他の研究生の反応は・・・

 

【寺本】

亀山トリエンナーレに出展し、作家の仲間入りを果たした寺本さんだが、前回と同様に悩みの日々を送っているようだ。「二枚組の女」と称されるようになった原点でもある二枚組写真を並べると

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

 楽しんでいたハズが苦しくなってきた。

今は違うことも考えている。

2枚組の作品は、石もガラクタも磨けば光るをイメージして「ルリモハリモ」と名付けられたテーマ、それは好きな写真を1枚ずつ撮りため、撮りためた写真の中からふさわしいペア、いや必然的にくっつくべき二枚を見つける作業だった。このように境界があやふやな二枚が違和感無くくっついて一枚となる瞬間、じつは二枚組ではなく引き離されていた一枚を元に戻す作業だったのだ。

苦しんでいる彼女に対し

先日の写真評価会では講師に「くっつける必要ありますか?」と問われたり、周りから見ていても当時のテンションが維持できていないことは明確だ。

見つける行為は苦行だけど続ければ見えてくる?

 

【武田】

久しぶりに登場した武田さん。

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

撮影エリアは100m〜200mの差でほとんど同じ場所。人が来ていなくて自然な感じが好きな場所。職場が変わったら写真のトーンが変わった。

 

以前の作品は水シリーズだった。ここに並べられた変化前(ビフォー)の写真は自然の中なのに人工的でグラフィカル。その中で水(小さな流れ)を求めている。それは野生っぽい動物のようだ。縦が良い。

このビフォーからトーンが変わったアフター、今後どうなる?

 

【岡副】

前回に続き、車窓風景の写真を並べたが

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

撮り尽くし、行き詰まり、面白くなくなってきた。

5秒のインターバルでも撮影したが、期待した結果にならなかったので持ってこなかった。

ここにさらけ出された写真に対し

縁がある方が良い。止まっていない方が良い。旅をしている感がある。見ている人が意味を感じる。

5秒のインターバルのものも見たかった。

 

【小阪】

本日の最後は小阪さん。

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

働く人を撮りたいと、仕事でお付き合いのある木工作家さんの作業風景を撮らせてもらった。手元を中心に。デスク上の窓が印象的だった。しかし、撮ることに慣れていないのでどう撮ればいいか?

 

この写真は所長の写真家魂を奮い立たせてしまった?

手の感じが軽すぎる。もっとゴツっとした感じが欲しい。全体が明る過ぎる印象だ。木工の工房なのに木のテキスチャー(質感)が全く出ていないの。工房モノは時間を「かけてます感」を出すために衣装を変えるなどの工夫も必要である。

 

以上で参加者全員の発表が終了した。終了予定時刻は大幅に過ぎ、17時前となっていた。

 

この後は先に紹介した櫻井さん持参の 海帰線―海と雲の「環境写真集」(土井九郎)の回し読み、さらには伊丹市立美術館で開催されたソールライター展の鑑賞報告、伝達事項の展開にて終了となった。

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

写真好学研究所 06月定例研究会@古民家Hibicore

 

次回の研究会は会場が三重を離れるかもしれない?

 

【参考(過去の記録)】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です