企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

2018年11月10日(土) 企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館 (車、徒歩)

志摩市歴史民俗資料館では次の企画展が開催されている。

企画展「絵図と道中記でたどる 志摩への旅」

江戸時代、参勤交代の確立により整備された諸街道、さらに安定した社会や経済の発展に支えられ、伊勢参宮を中心とした庶民の旅が盛んとなりました。
人びとは「講」を結んで旅の費用に充て、当時のガイドブックともいえる「伊勢参宮名所図会」や先人の書き残した道中記、さらに御師を案内役として旅を楽しみました。

「志摩国一の宮磯部まいり」を中心に「志摩への旅」の様子を紹介します。

同時開催 : 没200年記念  伊能忠敬 展

開催期間  平成30年11月3日(土曜日)~平成31年1月30日(水曜日)
休館日 : 月曜日、11月29日(木曜日)、12月27日(木曜日)、
年末年始(12月28日~1月4日)

開館時間 午前9時30分~午後6時(入館は午後5時30分まで)
開催場所 志摩市歴史民俗資料館 展示室 (磯部生涯学習センター1階)
入館料  無料

【引用】 企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅」を開催します/志摩市ホームページ より

 

開催期間が長いのでいつでも行けるからと先送りしていると知らぬ間に開催期間が過ぎてしまうことが多い。時間がある時に訪れなくては・・・。

午前中は時間があったので、伊雜宮などを巡った後志摩市歴史民俗資料館を訪れた。

志摩市歴史民俗資料館(志摩市磯部町迫間)

志摩市歴史民俗資料館(志摩市磯部町迫間)

 

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

資料館の入口にはこちらのポスターが貼られていた。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

企画展はいつもの展示スペースで展開され

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

今回テーマ「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」に基づき「御師の活躍」「旅支度」「絵図と道中記ほか」の三部構成となっていた。

 

【御師の活躍】

こちらでは庶民の旅が盛んとなった立役者である御師の活躍が紹介されていた。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

こちらは迫間村の御師 中井喜大夫による神札とそれらを刷った版木である。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

他にも御師の活躍を物語る資料が展示されている。伊雜宮の神職数や南内人の名が記された多数の史料など。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

【旅支度】

こちらでは旅の手引書である

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

「旅行用心集」が紹介されている。この手引書が現在のガイドブックのような楽しむためのガイドだけでなく、毒草や毒虫から身を守る方法や船酔い対策、さらにはお灸のすえ方なども紹介されている。昔の旅の過酷さがその内容に表れている。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

なお、この「旅行用心集」はネットでその内容を知ることができる。次の【参考】に示した前者は宇野藍子さんが運営する くずし字で楽しむ江戸時代の暮らしと文化「古文書ネット」に掲載されているもので、現代語訳も記されている。
また、後者は早稲田大学図書館の古典籍総合データベースに登録されているもので、5冊が登録されているがページ数が異なるものがある。読みくらべると面白いかも。

【参考】

 

その先のケースには道中合羽やわらじ、

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

その他振り分け荷物など旅の必需品が所狭しと並べられている。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

なかでもこれらの講看板は印象的だった。(これらを個人で所有しているとは・・・)

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

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企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

さらに、小さなケースの中にはかつてのお金が展示されている。銭100文さしと

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

一朱銀。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

説明によると「銭100文さしは実際には一文銭96枚が紐に通されれ4文は紐に通す手間賃として差し引かれている。
通常、一朱銀は銭250文に換算された。」そうだ。

 

この後は

【絵図と道中記ほか】

伊勢参宮名所図絵から「猿田彦森」「家立茶屋」「瀧祭窩(天の岩戸)」「鸚鵡石」「伊雑宮」「穂落宮(佐美長神社)」を取り上げ

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

それらに関する古文書や

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企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

【参考】 本企画展で紹介されていた絵図は 次の5(五 上)に

 

絵図が多数展示されている。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

これは家立茶屋で実際に使われていた釜である。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

展示は続き、

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

興味深い絵図や古文書が多数展示されている。

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

企画展「絵図と道中記でたどる志摩への旅展」@志摩市歴史民俗資料館

 

このコーナーの最後には、昭和55年(1980)に故津川三男氏と故井爪伊造氏が描いた「伊勢道路今昔」の地図の上に、「磯部まゐ里 天保5年(1834)5月19日 帰路鳥羽巡り 同往三人(神宮文庫所蔵)」で記された経路に従い名所旧跡等の絵がマッピングされていた。こちらは撮影禁止だったため、メモを取ったが取り忘れていた点が多々あるのでで再訪しようと思う。また、磯部まゐ里の実物を見たくなった。

 

このように今回の展示も多数の古文書や古絵図での説明が中心となっていてとても興味深いものだった。
さらに、展示目録を見ると志摩市歴史民俗資料館と松阪市歴史民俗資料館以外で資料を提供している個人が3名、全員が知人だったことに驚いた。そのなかでも津市の飯田良樹さんは展示数の半数ほどを提供している。飯田良樹さんは医師でありながら歴史研究家でもあり研究のために多数の古文書などを買い求める収集家でもある。(これはあくまでも私の感想だが)今回の企画展はまさに「飯田まつり」の様相を呈していた。

 

飯田俊樹さんと私の出会いは次の記事に・・・

【参考】

 

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