2019年02月23日(土) 平成30年度特別展「山田奉行とまちづくり」、山田奉行所記念館(伊勢市御薗町上條) (車、徒歩)
先週は開始日を間違えて訪れてしまった山田奉行所記念館。
【参考】
- 特別展「山田奉行とまちづくり」が20日から始まる 山田奉行所記念館(伊勢市御薗町上條) 2019年02月16日
今週は間違いなく会期中なので
入口の長屋門には特別展の「山田奉行とまちづくり」看板が立てられていた。
長屋門を抜けて立派な建物の玄関へ進むと
こちらから記念館の中へ。
こちらが特別展の会場である。私がこの部屋へ入ると長屋門の受付に詰めていた大西勝洋さんが会場まで駆けつけて様々に説明してくださった。本特別展のテーマとは異なる大湊への祓橋や山田奉行所のお稲荷さん、さらにはかつてこの周辺に広がっていた塩田の話題にも及んだ。話に花が咲いていたら時間が・・・、閉館まで残り30分ほどとなっていた。
伊勢市のホームページには本特別展について次のように概説されており
神宮の鳥居前に自然発生的にできあがった集落「山田」と「宇治」。神宮と密着しているがゆえに、火災発生のたび、神宮への延焼を心配してきました。山田奉行がそれにどう対応してきたのかなど、山田奉行が行ったまちづくりについてご紹介します。
私は急ぎ足で展示を観覧した。展示テーマである「山田奉行とまちづくり」に基づき、コーナーはA〜Lに分けられ、それぞれに対して各奉行がどのような功績を残したのかが事細かに説明されていた。
A.外宮と町方 境界と神苑の整備
B.宮川の渡しの無償化、堤世古の開通
C.岡本新道の開通
D.尾上坂(おべさか)の整備
E.牛谷坂の開削、改修
F.内宮と町方 境界と神苑の整備
G.寺院の郊外への移転
H. (未確認)
I.新道の開削
J.河崎二新橋の架橋
K.宮川堤防の構築、増強修築
L.大湊 波除堤の構築と補強修築
今回も展示内容を理解し易くする工夫が随所に見られた。
これなどは先に説明をいただいた大西勝洋さんによる詳細な説明図で、伊勢の大火から外宮を守るために各奉行がどのように動いたのかがよく分かる。
こちらは以前にも目にしたことがあるが、改ためて見てみたいと思っていた絵図である。
それらは、嘉永〜安政にかけての大地震と大風雨で破損した「大湊の波除堤」のビフォーアフターを示す二枚の絵図である。
ビフォー、
アフター。
さらにはこちらも以前に目にしたことが絵図で宮川右岸に造られた堤の詳細図である。
こちらは再び、大西勝洋さんによる詳細な手書きの説明図である。惹き込まれる。
こちらは鉈屋の火事により外宮付近から岡本へ移転させられた世義寺の境内配置のビフォーアフター。
その他には艶っぽいものとして
こんな艶文が紹介され
当時に遊女が使っていたべっ甲櫛やかんざしなど、さらには古市遊女の見立て評判記事なども展示されていた。
一度の訪問では理解しきないほどの充実した内容である。
いつも思うのだが、こんな立派な内容の展示なのに図録が作られないことが残念でならない。
【参考】 山田奉行所記念館で、私が観覧した特別展ほか
- 平成29年度特別展「山田のまちと水害」(山田奉行所記念館) 2018年03月10日
- 企画展「近世 大湊造船業の展開」(山田奉行所記念館) 2017年03月04日
- 企画展「大湊と山田奉行所」(山田奉行所記念館) 2016年02月28日
- 弓馬術礼法小笠原流 古式歩射 三三九手挟式(山田奉行所記念館) 2015年07月20日
- 冬期特別企画展「幕末・・伊勢の海防と山田奉行」(山田奉行所記念館) 2015年02月21日
- 特別企画展「伊勢湾・遠州灘を渡った人たち・船参宮を中心に」(山田奉行所記念館) 2014年02月23日
- 夏季特別展「ご遷宮と山田奉行」(山田奉行所記念館) 2013年09月15日
- 企画展「懐古 宮川水運」(山田奉行所記念館) 2013年03月20日
- 企画展「災害と山田奉行」その3(山田奉行所記念館) 2012年08月25日