2019年12月07日(土) ついに上梓された『伊勢河崎商人館収蔵 山田羽書図録』三代目 松本敬古堂著
今月の古文書の会(河邊七種神社社務所)の記録でも紹介したように、本会の世話役をお願いしている松本眞一さんが『伊勢河崎商人館収蔵 山田羽書図録』を上梓された。
この本は三代目 松本敬古堂としての大作である。外見の厚み(2cm)だけでなく、内容にも厚みがある。
松本さんが山田羽書に興味を持ち始めたのは、私も参加させていただいた伊勢河崎商人館での古文書勉強会の頃である。
【参考】
- 古文書の読み方勉強の始まり 2011年01月27日
その後、伊勢河崎商人館に収蔵されつつも眠りについていた山田羽書の束を調査しながら知識を蓄え、自身でも山田羽書を収集してきた。そして、2015年には松阪市歴史民俗資料館で開催された企画展 「続・藩札と羽書 – MIEのエコマネー」に協力している。
【参考】
- 企画展 続・藩札と羽書 – MIEのエコマネー(松阪市歴史民俗資料館) 2015年02月28日
地道な活動を積み重ねてきた結果、今では山田羽書の第一人者となっている。
本書の執筆を思い立ったのは3年前と聞く。
出版までの経緯等についての詳細は本書のあとがきに記されている。
多くの方が本書を手にし、松本さんの偉業を感じると共に山田や河崎の歴史の厚みや底力を改めて感じていただきたい。
このように歴史と伝統が息づくはずの河崎も時代の変化に巻き込まれているそうだ。
時代の変化に伴いあらゆるものにも変化は避けられないだろう。
たとえば、各地で開催されているお祭りや行事も担い手の減少と職業の変化により斎行・催行日が式日から土・日へと変更されるなど存続のためには苦慮している。式日だった慣習を変えてまでもその祭りや行事を残すことは、本質や意義を押さえつつも時代の変化への柔軟な対応なのだろう。祭りや行事の変化と同様に河崎の町にも変えてはいけない、残さなくてはいけないことやものがあるだろう。私は部外者ではあるが、本書を読みながらそんなことを考えている。
なお、本書の価格および販売方法については確定次第、追って紹介する予定。
2020年01月12日追記
販売価格 ¥3,300円(税込)
販売店
- 伊勢河崎商人館(伊勢市河崎2-25-32)
TEL 0596-22-4810 - 古本屋ぽらん(伊勢市河崎2-13-8)
TEL 0596-24-7139