2020年05月30日(土) 津田[土地改良区の]用水を頭首工から終端(?)まで(多気郡多気町丹生〜津留〜牧〜鍬形) (車、徒歩)
先週、立梅用水の終端を探っていたところ津田[土地改良区の]用水を見つけた。
【参考】
- 立梅用水の幹線の終端は津田[土地改良区の]用水へ(多気郡多気町丹生) 2020年05月24日
一度気になると解決せずにはいられない。今週も朝から多気町丹生を目指した。
ここが津田[土地改良区の]用水の取水口であることは先週に確認していたので、ここからのスタート。
今回の探索では「津田用水竣工記念碑」を見つけ、この用水は「津田用水」であること、さらにこの場所は頭首工であることが分かった。
ただし、ネットでは【津田用水】というキーワードがヒットしないので、ここでは分かりやすいように【津田[土地改良区の]用水】を継続使用することにした。
頭首工を出発すると
水路に沿って歩き始めた。
こちらも立梅用水からの分水だろうか。
さらに進む・・・
こちらは先週にも訪れた丹生地区クリーンセンター付近である。
この先で、先週にお会いして津田[土地改良区の]用水について教えてくださった女性と再開。お礼を述べ、これから用水を探索することを告げた。女性は畑でシキミを摘むと近くの墓地へ・・・
県道421号へたどり着くと左へ折れる。道路の反対側からの流れを巻き込むと
県道421号に沿って流れは進む。
こちらで県道と交差すると
用水は道路の反対側を進む。
こちらは伊勢自動車道の方からの流れが用水の上を流れ側溝へと排水されている。
用水は悠々と流れるとこんな祠の下を流れる。山神?、水神?
この付近では左方向に櫛田川の流れが見え
さらにここには南勢水道津留取水堰がある。
この場所には以前に訪れたことがある。
【参考】
- 宮川流域案内人とともに「多気郡多気町丹生からの櫛田川ぞいを行く」ツアー 2018年12月02日
この時は、取水場所のみを見ただけだったが、今回の探索でその先の施設(沈砂池、導水ポンプ所)を見つけた。 後半に登場するのでお楽しみに。
津田[土地改良区の]用水へ戻ると更に先へ。
こちらで県道を交差。
今は落ち葉が多いので
維持管理の作業は大変そうだ。
ゴミも捨ててはいけない。この用水のおかげで水田などが潤うのだ。
これは取水部の名残?
ここでも県道と交差。
道路を横断して反対側へ向かうと
水路のトンネルが見える。
水路が先か、道路が先か。
こちらでも県道と交差。
動物に注意しながら
先へ進むと
風景もパチリ。
この付近で地名は津留から牧へと切り替わる。県道は坂道を上っているが水路は坂道を上れない。
水路は道路脇の切り通しを突き進む。(次の写真は振り返ってのパチリ)
左右に竹林が続く切り通しを進むと前方には大きな倒木。通れないのではと心配したが、チェーンソーで切り取られた木板が仮設されていたので難なく通り抜けることができた。
切り通しを抜けるとその先はこんな風景だった。
水路は右方向へ進むが
ここで地面の中へと消えた。
水路はどこへ? 周辺を探りながら県道方向へ進むと
こんなところから現れていた。(振り返ってのパチリ、左側は県道)
ここからはしばらく県道の下を県道に沿うように流れる。
水路からはこの用水で潤される田んぼが一望できる。
こんな残骸も興味深い。
白い旗は何を意味する?
用水はここで交差点の下へ潜り込んだ。
この交差点では
津田用水竣工記念碑を見つけた。
この裏には次の通り、刻されていた。
概要
県営事業
事 業 費 639,000,000円
受益面積 208ha
工 期 昭和55年度〜昭和63年度
事 業 量 頭首工 1ヶ所 揚水機 1ヶ所 取水工 1ヶ所 用水路工 6,691m(開渠 4,271m 管渠 2,420m)昭和56年度津田地区全域のかんがいを目的として、津田土地改良区を設立。勢和村丹生地内の一級河川八王子川に頭首工を設置。世古口川取水口の改修、津留揚水機の改修等により水源を確保し完成した。
ここは「中牧」。津田[土地改良区の]用水はこの交差点からどこへ向かうのか?
交差点近くの集落内を歩いてみたが、水量の豊富な水路は見つからなかった。
結局、交差点まで戻ると県道を先へ進むとこととし、伊勢自動車道をくぐった。
トンネルを抜けて右へ折れると次の注意看板を見つけた。ここは「津田土地改良区」。
ということは、この流れが津田[土地改良区の]用水である。トンネルの下をどのように流れて来たのか。(中牧の交差点付近よりも、こちらの方が高い位置にあるような気もするが・・・。)
細かいことは気にせずに先へ・・・。
左後方をパチリ。
ここを過ぎると
左方向にはこんな風景が広がっていた。
さらに先へ進むと不思議な光景を目にした。
何と太いパイプから多量の水が勢い良くこの用水へ流れこんでいた。
太いパイプの元を探るために階段を下るとその先には南勢水道沈砂池が広がり、
沈砂池へと流れ込む水路の出口には「取水トンネル長 790m」と記されたプレートがあり、その近くから先程の太いパイプへと用水を組み上げるポンプ施設が設置されていた。
南勢水道沈砂池の出入口へ回り込むとこんな感じ。
その前には櫛田川の流れが望めた。
来た道を戻ると先程に下った階段を登る際、目の前を太いヘビがスルスルと移動して行った。「ヒェー!」
とりあぜず、この用水の正体は明らかになったがこちらへ揚水される理由は不明だ。
この用水は程なく姿を消した。この先はどこへ通じているのか。
前方方向には不動尊があり、さらにその右方向には
滝行の行場らしき場所がある。この状況から考えると用水が右方向へ進んでいることは考え難い。
しかし、念のため県道421号に沿って櫛田川を下ると用水の存在を探ってみた。
その際に南勢水道導水ポンプ所を発見。
ここから多気浄水場(多気郡多気町相可)へ送られるのだろう。
この付近で用水を見つけることができなかったので更に先へ進むと
「左 丹生大師道」の道標を見つけた。
ここから左へ山へ入れば丹生峠を越えて例の場所へたどり着くのだろうか。
【参考】
こんなところで見つけた「お伊勢まいり」札と「伊勢本街道」の立札(多気町丹生) 2020年02月23日
少しそそられたが、今回の装備は軽装だったので山入りを諦めた。
津田[土地改良区の]用水が姿を消した不動尊付近へ戻ると
用水から掻き出された落ち葉が水に濡れていた。私がここを離れてから誰かが作業していた。その方に聞けば、この用水の行き先が分かったのだが・・・。
不動尊脇に立てられた竹の先を眺めると本日の探索の打ち切りを決めた。
帰り道はヘビを避けて(?)県道を利用することにした。南勢水道沈砂池付近へ出ると川の音とは異なる水の流れる音が聞こえたのでその方向を眺めると
尋常では無い量の水が管渠から吐き出されていた。これはもしかして津田[土地改良区の]用水の終端、それとも南勢水道沈砂池からのフロー?
(津田[土地改良区の]用水がここで櫛田川に流されるのなら、なぜに南勢水道沈砂池から様子水を汲み上げているのか? 不明な点は多い)
今日のところは手詰まりとなったので、丹生へ戻ることにした。
県道を歩くと行きには目にしたかった地名版が多い。
こんな「伊勢芋発祥の地(津田)の案内板」まで。
伊勢自動車道[松阪36]トンネルを過ぎても
県道421号を突き進んだ。行きは探索しながらだったのでかなり時間が掛かったが、帰りはかなり速い。
時に戯れながら・・
往路を振り返りながら・・・
こんな光景を見ながらの休憩を挟みながら・
切り通し水路の脇を越えた。
このルートは車が少ない。
南勢水道津留取水堰を過ぎれば
程なく丹生へ入り、
スタート地点であるゴールへ戻ってきた。
近くに面白い光景が広がっていたのでパチリ。
ふれあいの館へ戻る途中でふるさと屋の裏手にある
立梅用水 津田 土地改良区合同事務所へ立ち寄ったが不在のようだった。(疑問を解消できるかと思って訪れたが・・・)
西村彦左衛門さんに尋ねたがわからない様子だった。(笑)