2021年11月27日(土) 泊正徳 写真展「伊勢志摩から拝(み)る富士山」@大王美術ギャラリー(志摩市大王町波切) (車、徒歩)
大王美術ギャラリー(志摩市大王町波切)では、泊正徳 写真展「伊勢志摩から拝(み)る富士山」が25日から開催されている。
【引用】次の 大王美術ギャラリー ホームページより
【泊 正徳さんより】
「伊勢志摩から拝る富士山」の開催にあたって
初めて志摩から富士山を見たのは、幼いころ、自宅近くの海岸からでした。水平線に白い雪をかぶった富士山が浮かんでいました。その時は何の感動もなく、60年が過ぎたある日、変わった形をした富士山に出会いました。富士山の水平線に近い左右が浮かんで見えます。これに興味を持ち、いろいろ調べてみました。結果、「宙に浮く富士山」は、伊勢志摩の海岸線から見た時に、海の上に浮きあがったように見える自然現象でした。海水と水面近くの空気との温度差によって、光が屈折して起こる「蜃気楼」の一種「浮島現象」によって宙に浮いたように見えることや、観測できるエリアは、日本全国のなかでも鳥羽市の一部と志摩市だけということ等がわかってきました。
「伊勢志摩のどの地点から、富士山を見ることができるだろうか。」これを機に富士山撮影が始まります。天気のいい早朝、伊勢市から志摩市の海岸線を12年間撮影してきました。その中から、今回は40点展示させていただきます。
期間 11月25日(木曜日) ~ 12月20日(月曜日)
時間 9時~17時(最終入館は16時30分)(最終日は16時閉館)
ところ 絵かきの町・大王美術ギャラリー
休館日 火曜日・水曜日(祝日の場合は開館)
観覧料 無料
波切漁港から散策してこちらにたどり着いた。案内に従い右へ折れると
立派な志摩市役所大王支所が建っている。
大王美術ギャラリーは志摩市役所大王支所に併設され、3階は志摩市出身で洋画家「平賀亀祐」氏の記念館、2階が展示室となっている。ギャラーリーの入口で手消毒、氏名住所の登録、体温測定を終えると、エレベーターで2階の会場へ。
泊さんとお会いするのは、約2年ぶりであった。
【参考】
- 泊正徳写真展②「伊勢・鳥羽・志摩百景」@鳥羽大庄屋かどや(鳥羽市鳥羽) 2019年11月02日
泊さんはその間に何度も写真展を開催されていたが、私はコロナ禍を理由にお邪魔できないでいた。現状ではコロナも落ち着いているので、このタイミングだと思い訪れたのだった。
泊さんは在廊されていた。私は2年ぶりのご無沙汰を侘び、再会を喜んだ。
先の説明にもあるように、泊さんは60歳で富士山の撮影を始め、12年間ずっと富士山と対峙している。
撮影した枚数は1万枚を超え、展示されている40作品を決定するために、7回以上のセレクトを繰り返した。展示会の準備でもっとも時間を要したのは作品の選択だった。
そうだ。
また、12年間で富士山を撮影した場所は16ヶ所。
今後も新たな撮影するポイントを探したい。
と勢力的なお言葉に、富士山に対する切なる思いを感じた。
今日は特別なプレゼントを頂いた。それは写真展のタイトルにある「拝る」についてである。
結論から言えば、これは「みる」と読むとのこと。私は何と読むのか疑問であった。
そして、この言葉が生まれた経緯を教えていただいた。
古事記塾を主宰する今野華都子さんと写真展のタイトルについて話していたところ、(泊さんが)富士山を撮影する「おもい」を理解された今野さんから「拝(み)る」を提案された。この助言がなければ単に「みる」になっていた。
そうだ。
このような裏話をお聞きできるのは、ギャラリーを訪れる楽しみでもある。
作品に撮された富士山と取り巻く環境は千差万別だ。寒さに凍えながらの時間もあっただろう。
すべての作品が素晴らしいのだが、特に気になったのは、昼の富士山。年に数度しか現れず、なかなか出会えないそうだ。
また、富士山が海の上に浮かぶように見える現象(蜃気楼の一種である浮島現象)は、先の説明にもある。
【参考】
- 「富士山が宙に浮きだした」冬の到来 志摩の海岸から写真家の泊正徳さんが撮影 | 伊勢志摩経済新聞
このような光景を見ることができるのは、相差(鳥羽市)から波切(志摩市)までの海岸線に限られる。
長年撮影していても知らないことばかりなので、このような現象や新たな知見は「町おこし」に活用できるのではないか・・・
と、泊さんはさまざまに模索されているようだ。
さらに、
これからは、標高で富士山(3,776m)に次ぐ北岳(3,193m)や間ノ岳(3,190m)の撮影にもチャレンジしたい。
とのこと。
地道に富士山と対峙しつつも、新たなチャレンジを続ける 泊さん の今後のご活躍からも目が離せない。