写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

2018年04月01日(日) 写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore (車、徒歩)

年度の始めである4月1日、写真好学研究所の定例研究会が開催された。以前は月例の講座だったが昨年度の途中から本講座は隔月となり空いた月には写真技術等に関する公開講座が開催されるようになった。そのため、本講座は定例研究会と呼れるようになった。

また、各研究生には写真好学研究所の所長である松原豊さんからメールにて次の内容が通知されていた。

4月1日〜2018年度の写真好学研究所講座がスタートします。
4月1日参加される方は古民家Hibicoreに13時に集合して下さい。終了時間を少し早めるために13時集合とさせていただきます。(4月1日の駐車場は近所の劇場Théâtrede Bellevilleの駐車場を借りてあります)
会場は12時から開けていますので早く到着してもらってくつろいでいただいてもOKです。
4月1日の持参物は2017年度から継続テーマの「三重の風景」写真を持参下さい。
写真と共に自分の考える、作者として「何を」三重の風景として捉えようと、見ようとしているのか?「三重の風景」とは何か?
それを人に伝える為の、完璧で無くて構わないので文章を考えて写真と共に発表してもらえればと思います。

 

最近は隔月の開催にて古民家Hibicoreを訪れる機会が少なくなった。さらに3月定例研究会に参加できなかった私は3ヶ月ぶりの訪問となったが、桜の花が温かく迎い入れてくれた。

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

いつも確認している陶板のHibicoreを確認すると

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

古民家Hibicoreの玄関へ入った。するとすでに4名が到着していたが今年から参加した新しいメンバーだった。お二人は1月の講座でお目にかかった宗吉さんと田村さんだった。あの時は見学者としての参加だったが、その後に入会したそうだ。また、他のお二人は初めてお会いする方々で櫻井さん親子だった。親子で同じ趣味を持ち、共に行動するとは微笑ましい。

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

古民家Hibicore(津市美里町三郷)

 

しばらくすると以前からのメンバーも集まり定刻となった。まずは所長から新年度の挨拶と前述メールの内容について説明があった。さらに、今後の活動予定などが示された。その後、面識のない研究生も多いため自己紹介大会となった。

今回の参加者は、所長(松原)と猪野、櫻井(父)、櫻井(息子)、田村、寺本、中澤、桝屋、宗吉、吉田の10名。

(櫻井さん両名についてはお名前を聞きそびれてしまったので、ここでは(父)(息子)と記した。)

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

自己紹介を終えると各人からの発表となった。

 

【桝屋】

「三重の風景」とは何か?についての文章とともに簡単なプロフィールを資料にまとめていたため、自己紹介は控えめにしておいた私から報告することになった。

毎日撮り続けている「モノクロームな日々」のなかから最近の写真(10枚)と玄関ギャラリーに展示するために準備している「モノクロームな日々 2017」のメイキング・カラー写真、共にL判の写真を並べた。

(自分自身の発表のため写真を撮ることを忘れていた。そのため残念ながら写真はない。)

【参考】

 

ここでは、次の資料を手渡し、読み上げた。

【参考】

 

一日に一枚だけをアップするのなら撮るのも一枚だけにする。さらに、意味のある(を示す)ものは撮らないようにする方が良い。また、他の写真も見てみたい。などのフィードバックがあった。

 

【中澤】

前回に続き、夜の工場付近の写真と夜の踏切の写真が並べられた後、説明が始まった。

注目している工場の建物を様々に撮ったり、月を入れてみたりと。また、昼間は他愛もないのに夜には表情を変える踏切も面白い。さらに、あまり見えない方がいいのか?、場所を変えようか撮りたいところがある。ミラーレスを使い始めたらミラーレスが楽。

 

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

そして、「三重の風景」については次のようにまとめていた。

わたしの三重の風景

夜の静寂
【静寂/しじま】ひっそりとしたさま。
昼間とはまったく違った表情を見せる夜の風景。
夜(闇)の帳が覆う時間、濃密な空気に満たされ、
見えない何かが蠢く世界。

わたしが、三重で撮れば、それが、

主観的、三重の風景。

 

そして、最後の2行を読み上げる際、中澤さんの言葉、さらには身体に熱がこもっていた。腕を振り下ろさんばかりの勢いで。

所長からは「キレ」「ブレ」どちらにするのか? スレートに映るシャドーは森なのか町なのかがわからずに新鮮だ。と

ほかにも闇の感じが面白い。紙の種類で変わる、レーザー、印画紙・・・。PhotoShopの使い方を身につけることも必要か。絞りの設定・・・。

なお、所長および県民ギャラリーでグループ展示に参加した研究生からは被写体探しの努力と見つけた被写体への取り組みについて成長ぶりが絶賛されていた。

 

【櫻井(息子)】

続いては櫻井親子の息子さんの発表。櫻井さんがテーマ「三重の風景」を知ったのは最近だった。

最初はランドマーク的に思えたが、調べると「目の前に広がる景色」だとわかり、それなら「日常で良い」と結論づけた。

そしてストックの写真を10枚ほど並べた。中澤さんのように確信を持ってこれが三重だと!

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

最近は趣味で写真を撮ることに悩んでいるそうだ。

写真を始めたの父親の影響で十数年前、当時は写真を撮れば褒められる時代だったが、いまはデジカメのおかげで誰もがカメラマンとなりカラフルでSNSなどはいいねが溢れている。これを撮って何になるのかと疑問が湧く。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

一年参加してどう変わるのかが楽しみ。

 

【櫻井(父)】

息子さんに続き、お父さんの発表となった。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

並べられを写真を前に女性陣がグルーピングを始めた。その最中で櫻井さんから「鳥が写っていると風景ではないのか?」の質問がでた。それは鳥や人物などが大きく写っていればそれらが主体となり風景ではなくなるのではないかとの問いだった。また、この前に「いいな」と言ってもらった2枚が腑に落ちない。と

鳥や人物については当人の解釈なので本人の判断しだいではないか。との意見が多かった。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

セレクトされた写真群をながめながら所長が、チャネルが多いのでこれから新しく撮った写真が楽しみ。テーマ主義にならない方がいい!と。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

【田村】

前回はボロクソ言われた(本人談)のでリベンジとなる写真が並べられた。(前回、私は休んでいたがすべての写真がキャラクターと共に写されたものだったそうだ。)

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写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

あるものを存在感をもって撮りたい。「私はここにいるよ!」と。そのため今回はモノクロでコントラストを付け、スクエアにした。

そんな思いを持ちながら撮られた写真のなかから5枚が「存在感あり」と認定され、前回のリベンジが果たされた。

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【宗吉】

続いては宗吉さん。1月の講座では猪野さんにおねだりされて写真を進呈していた。今回も桁外れの高質な写真が並べられた。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

中澤さんからは「参った」の一言。所長からは「次は個展、やりましょう!」の繰り返し。また、これらの写真を評して三重の風景ではなく「オシャレな風景」、イングランド風@三重とも。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

宗吉さんからは・・・

そこの光、風、空気、香りが同期、同化して私の頭にフラッシュする。その瞬間に完成している。その完成したものを仕上げているだけ。なお、1:1と2:3はフラッシュするが、3:4はフラッシュしない。横が95%で残りが縦、横がほとんど。普段は選んだレンズを3本持って出かける。

一万時間撮れば見えてくるものがある。

また、今まで皆が自分が撮ればそれが「三重の風景」と言っているが、自分が撮ればそれが「三重の風景」と言い切るのは好きではないので、他者にそれは「三重の風景だ!」と言わせられるほどにしたい。

 

【寺本】

「もうだしたくない!」の一言で始まった寺本さんの発表。亀山トリエンナーレに出展するなど全く関係の無い二枚の写真を組み合わせて新しい世界を作りだす「二枚組の女」である。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

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最近は縦くくりで二枚を合わせることが辛くなってきた。横も撮りたい。

それに対し、宗吉さんからは「縦の横並びを続けなさい。」と優しいお言葉が。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

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組み合わせのことは?と問われると「別に・・、引力のように選ばれる」と。今回はくっつく勘が低下しているようだ。また、被写体の捉え方について櫻井(父)さんが「写真をやる人ではやらないトリミング、私にはできない。」と。所長からは「動物的な嗅覚的な寺本のクンクンした雰囲気」とも。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

人の気配を入れないほうが良い。素材としてのバリエーションが欲しいので過去の写真も掘り起こして。とのフィードバックがあった。組み合わせは苦行だ。

 

【吉田】

3月上旬まで三重県立美術館で開催されていた写真展「モダニストの日本美―石元泰博「桂」の系譜」の感想を述べながら写真を並べた。石元さんの写真展を観て線を撮っていると思えてきた。と

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

石元さんの写真展での感動や友人からの言葉(撮影スタンス、被写体との一体化など)で自分自身に変化があり、先日寄りたくなって美杉の森(県民ギャラリーでの写真展に出展した写真の被写体)を訪れた。しかも捉え方も変わったようで、下から見上げたり近寄ってみたくなった。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

以前、東京に住んでいたがノイズやゴチャゴチャなものがいっぱいでスッキリしたかった。美杉に移り住んで自分と余白、空白などを見つけたかった。世界と調和するための余白を自分の中に探している。

自分の中に余白のあるものが三重の風景。

 

櫻井(息子)さんは、木が林立する美杉の森の写真がファイリング(透明なシートに覆われた)された状態で見るとまるで都会の満員電車に見える。と。

 

【猪野】

この風景を見ながら自分のなかでシャッターを押していた。その後、実際にその場所を3回訪れた。私は青空が邪魔。自分でボカせないので、霧雨の日に行った。霧雨に濡れながら撮った。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

三重に来た時、広いところでスッと気が晴れた。が、晴れたときはいらない。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

 

草の線が好きだがプリントすると割れた。どうしようと悩んだ。スマホ用のレンズを買ったがレンズが写り込んでしまう・・・。

デジカメを買うべきか悩みながらも、三重の風景にはビッタリかな。

 

以上で定例研究会は終了となった。

写真好学研究所 04月定例研究会(2018.4.1)@古民家Hibicore

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皆さんお疲れ様でした。

次回の定例研究会は6月3日(日)の予定。

 

【参考(過去の記録)】

 

 

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